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健康科学研究科の大学院生 丸山 翔さん(河野ゼミ)が日本学術振興会特別研究員DC2に採用されました
大学院健康科学研究科
スポーツ健康学科
教授 河野 史倫
本学大学院健康科学研究科・博士後期課程2年の丸山 翔さん(河野ゼミ)が日本学術振興会特別研究員DC2に採用されました。
日本学術振興会の特別研究員制度は、将来の学術研究を担う優れた若手研究者を支援する国の制度です。博士課程の大学院生や博士号取得後の若手研究者が、自らの研究課題に主体的に取り組めるよう、給与に相当する研究奨励金と特別研究員奨励費(研究費)が支給されます。制度には、博士後期課程の大学院生を対象とするDCと、博士号取得者を対象とするPDがあり、DC2は博士後期課程の学生を対象とした区分です。
今回DC2に採用された丸山さんは、全国規模の審査を通じて、研究計画の内容や実現性、これまでの研究実績、今後の発展性が高く評価されたことになります。採用後は2年間にわたり支援を受けながら研究に専念できるため、若手研究者にとって大きな励みであると同時に、研究者としての高い可能性が認められた成果と言えます。
丸山さんは、大学教員などの研究者を目指し、本学人間健康学部健康栄養学科から大学院へ進学しました。博士前期(修士)課程の2年間にわたり主体的に研究に取り組み、論文発表や国際学会での発表を通して研究成果を積み重ねてきました。そのようなこれまでの取り組みが、今回の採用につながったものと考えられます。今後の丸山さんの研究のさらなる発展と研究者としての成長が期待されるとともに、その歩みが、後に続く大学院生や学部生にとって、自らの可能性や進路を考える一つの指標となることを期待しています。
◆丸山 翔さんからのコメント
【研究内容の紹介】
「年を取ると筋肉が衰える」―これは誰もが実感する現象ですが、その詳細なメカニズムは未だ多くが解明されていません。70歳代の高齢期には、フレイルやサルコペニアといった筋老化を代表する病態としてその症状が顕在化します。しかし、筋量や筋力の減少といった「骨格筋の老化」はそれよりもはるかに早い40歳代から静かに進行していることが知られています。
本研究では、この長期にわたる"未病期"に着目し、「なぜ加齢によって骨格筋は衰えるのか」という根本的な問いに挑んでいます。特に、生体内で遺伝子の働きやすさを制御する「エピジェネティクス」という仕組みが、加齢とともに破綻し始めるのではないかという新しい仮説のもと研究を進めています。
これまでの研究から、加齢により骨格筋の遺伝子構造がより凝集し、運動に対する筋肉の反応(遺伝子応答性)が低下することが明らかとなっていました。さらに本研究では、①若齢の骨格筋では、ヒストンH3.3に付加される「H3.3S31ph」という修飾が、遺伝子の過度な凝集を防ぎ、柔軟な状態を保つ役割を持つこと ②加齢によりこの修飾が減少すると、遺伝子が強く凝集し、その結果として運動に対する応答性が低下すること ③この修飾が減らないようにすると、本来失われるはずの応答性が保持されること を明らかにしました。
現在は、「なぜ加齢によってH3.3S31phが減少するのか」という上流メカニズムの解明に取り組んで研究を進めています。
【特別研究員採択とその決意】
本研究を通じて、骨格筋老化の根本的な理解を深めるとともに、筋老化に対する"予防から治療"を見据えた包括的戦略の出発点となり、かつ後発研究の学術的基盤となる新たな知見の創出を目指します。そのために、特別研究員として採択された期間を最大限に活用し、研究の一層の発展に取り組んでまいります。
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