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国語科概論「〈からだ〉で創る文学教育の構想」
-アルプス公園にて俳句の作成を行いました-
学校教育学科
准教授 上月 康弘
6月13日(金)、アルプス公園の眺望から夕日と松本の街を眺めながら、俳句を作成するという活動を行いました。この週はずっと天気が悪く天候が心配されましたが、奇跡的に晴れ、アウトキャンパスを実施することができました。
学生たちは前回までの授業で、「夏」をテーマにした俳句を作成するという目的意識のもと、意味マップで「夏」にまつわる経験を想起したり、季語を調べたりして、俳句を作成しました。教室空間で創る俳句と、自然の開放的な空間で作成する俳句には、どのような違いがあるのか、という問題意識のもと、実際に検証することを目的とし、今回の授業を行いました。
人間の活動は常に「場」によって拡張されたり制限されたりします。特に、自然事象を対象とする俳句の作成には、「場」の変質は、自己に大きな影響を与えるのではないかと考えます。「場」そのものの特質が、俳句を作成する際のリソースとしてはたらくと考えられるからです。
しかし、実際に学生の様子を見たり私自身も作成したりして感じたことは、風景を見ながら俳句を作成するということは、教室で自由に想像して書くよりも容易くはないということです。むしろ、「難しい」と感じる学生が多かったです。これは意外な発見でした。
とはいえ、教室を離れて松本の自然を全身で感じ、爽快感をもった学生はとても多かったようです。以下、学生の感想と作成した俳句です。
学生の感想
- アルプス公園の自然の豊かさが様々な感情を思い起こさせ、俳句を作る手を進めてくれた。緑のにおいが気分を落ち着かせてくれ、うろこ雲が夏を感じさせてくれた。
- 普段ゆっくりと自然に触れる時間がないので、久しぶりに自然を五感で感じ、楽しかった。言葉に表現することは難しかったが、楽しかった。鳥の鳴き声や風の心地よい涼しさも普段は全く気付かないが、感じることができた。自然を学びにつながえると、自然の良さに気付くことにもなりよかった。
- 空気感がおだやかで、とても心地よかった。あまり最近は自然と触れていられなかったのでよかった。太陽の日差しが神々しくて神秘的だった。
作成した俳句(下書き)
・うろこ雲 青空割れて 光射す
・夕凪の 時報運ぶは どの鳥や
・夏茜 雲を運ぶは 高き山
・そよ風に 揺られ手を振る 若葉かな
・夏木立 見上げた空は あかね色 他
今後は、筆を用いて和紙に俳句を書き、掲示をします。次回は、毛筆の使い方も含めて学習をしていきます。どんな俳句が完成するか、とても楽しみです。
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