学部学科・大学院
教育研究上の理念・目的
「栄養科学」「スポーツ科学」を基盤とし、関連する周辺学術分野と融和した「健康科学」の学術研究教育活動を行い、「健康づくり」という視点から課題を科学的根拠に基づいて適切に把握し、優れた思考と確かな技術を駆使して解決できる専門性の高い指導的立場の人材を育成することを理念とします。
育成する人材
- 「栄養」の分野に関わる人が「運動」について、また、「運動」の分野に関わる人が「栄養」について専門性を高め、「健康科学」の面から総合的に地域や行政のプランニングやその推進等を指導できる人材
- 管理栄養士・栄養士・食品衛生管理者・食品衛生監視員などの「食と栄養」に関わる有資格者として、より高い専門性を備えたスキルアップした人材
- 健康運動指導士、健康運動実践指導者、レクリエーション・インストラクターなど「運動」に関わる有資格者としてスキルアップした人材
- 高い専門性をもつ、研究者、教育者を目指す人材
3つのポリシー
ディプロマ・ポリシー
健康科学研究科博士前期課程では、大学院の使命・目的並びに理念を踏まえ、専門基礎科目・専門科目・特別研究から編成される修士課程教育を行い、取得単位上の修了要件を満たした上で、以下のいずれかに合致する能力を習得したと判断される院生に対し、修士(健康科学)の学位を授与する。
- 「健康科学」を修得し、「栄養」と「運動」についてどちらにも詳しく、これらの分野を統括して健康指導にあたることができる。
- 「栄養科学」や「スポーツ科学」の各分野において、深い専門性を身につけている。
- 「健康科学」を基礎とし、各専門分野の最先端の研究成果を自ら学び、かつ自ら研究を行うことにより、自らの力で生涯自己更新のできる力を身につけている。
カリキュラム・ポリシー
1.教育目標ならびに課程の編成・実施の方針
健康科学研究科博士前期課程は、次の者の養成を目標としている。
- 健康科学分野での指導的立場の人材
- 各種有資格者の高度化・専門化を図る高度専門職業人
- 優れた研究能力を有し、科学的に課題解決を図る研究者・教育者
そのために科目の領域として、「健康科学」領域に関する専門基礎科目を置いた上で、専門科目としてそれぞれ「栄養科学」領域・「運動医科学」領域・「人文・社会科学」領域を展開している。それぞれの領域では理論面に力点を置く「特論」と、実践・応用面に力点を置く「演習」とを適切に織り交ぜた科目構成を行っている。また、入学時に「健康科学」を強く認識させるために、全教員によるオムニバス形式である健康科学分野の「健康科学特論」を必修科目として配置している。
2.教育内容
基本的にはそれぞれの科目担当者の自主的な内容作りに依拠しているが、研究科委員会で確認している。特別研究は、予め面談等で希望する研究内容に沿った教員の指導の下で行っている。
3.教育方法
ゼミナール形式などの少人数教育を通じて、個々の院生にきめ細かい指導を行っている。
4.評価
以上のような教育目標・内容・方法を設定し、院生の専門的知識・技術の向上に努めるとともに、成績評価についても厳格な基準を明示して判断している。さらに、2年間の成果を「修士論文」としてまとめ、最終試験と位置づける修士論文発表会にて発表し、研究科委員会にて合否を判断している。
アドミッション・ポリシー
健康科学研究科博士前期課程では、以下の観点、項目に関心のある人材を受け入れることを基本としている。また、管理栄養士・栄養士養成施設、健康運動指導士・健康運動実践指導者養成施設などの大学の出身者だけでなく、短大卒で栄養士・管理栄養士としての実務経験者や周辺の健康科学に関わる学部を卒業した社会人も積極的に受け入れることにしている。
- 「栄養」や「運動」がいかに健康に関わるかを科学的に分析し解決するために必要な知識・技術を身につけたい人
- 自然環境に恵まれた地域の特性を踏まえた上で高度専門職業人として健康科学の実践・発展に貢献したい人
- 健康科学の教育研究者を目指す人
アセスメントプラン
開講科目一覧
専門基礎科目 | 健康科学特論/健康運動学特論/運動生理学演習/スポーツ栄養学特論/健康科学情報処理演習/遺伝子機能解析学特論/健康診断学特論/健康免疫学特論/ゲノム科学特論/アンチエイジング医学特論/内分泌学特論/運動と脳科学特論/社会調査法特論/健康運動指導特論/インターンシップ演習 | |
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専門科目 | 栄養科学領域 | 食品学特論/食品微生物学特論/食品機能学特論/食・栄養教育特論/食生活調査実践演習/食と老化特論/病態栄養学特論/病態栄養学演習/栄養疫学特論/分子栄養学演習/公衆衛生学特論/ガストロノミー特論/調理科学特論/食品物性特論/臨床栄養学特論 |
運動医科学領域 | 健康運動指導法演習/加齢と健康特論/レクリエーション特論/健康と宇宙医学・生理学特論/骨格筋生理学特論/スポーツと法特論/スポーツ政策特論/地域スポーツ振興特論/指導者のための実践心理学特論/実践心理学演習 | |
人文・社会科学領域 | 健康と病の社会学特論(質的調査法含む)/生命倫理学特論/臨床心理学特論/メンタルヘルス特論/フードマーケティング特論/スポーツとジェンダー特論/環境科学特論 | |
特別研究 | 修士特別研究 |
取得できる教員免許
- 高等学校教諭専修免許状(保健体育)
- 中学校教諭専修免許状(保健体育)
- 栄養教諭専修免許状
- 養護教諭専修免許状
本学で専修免許状を取得する場合には、既に一種免許状を取得していることが必要です。
学位論文の審査基準
審査体制
本学では、学位論文の審査及び最終試験を行うことを目的として学位授与のための審査委員会を設置します。審査委員会は、研究指導教員と当該論文に関連のある1名の大学院専任教員で組織され、研究指導教員が主査、他が副査として構成されます。
審査委員会は、修了予定者を対象に学位論文審査発表会を開催します。なお、発表会は公開とします。
審査方法
学位論文審査発表会(2年次2月)
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大学院所属教員全員が審査発表会に出席し、審査は次の①~⑤の観点でそれぞれS,A,B,C,Dの基準で評価し、論文審査に反映します。
- 専門的知識に関すること
- オリジナリティに関すること
- 科学的思考力に関すること
- プレゼンテーション能力に関すること
- その他、研究を行う上で必要となる能力に関すること
- 学内教職員、大学院生、大学院研究生、学部学生は出席することができます。それ以外の方でも、事前に研究科長の許可を得た場合には出席することができます。
- 発表順序は、研究科長と主査が決定します。
- 発表は質疑応答も含めて30分とし、座長は研究科長と主査が行います。
学位論文審査
審査委員会では、ディプロマ・ポリシーに基づき、以下の項目について総合的に評価し、合否を決定します。
- 学位申請者が主体的に取り組んだ研究成果であること。
- 論文の内容は、新規性または独創性を有していること。
- 論文の構成・内容が適切であること。
- 論文の題目が適切であること
- 研究の背景が記述され、研究目的が明確であること
- 研究方法が記述されており、目的に沿った方法であること
- 結果が図表等を用いて適切に示されていること
- 考察が結果に基づいて適切に導き出されていること
- 目的に対応して結論が適切に導き出されていること
- 文献が適切に引用されていること
- 修士論文発表会において、論文内容の発表と質疑に対する応答が、論理的かつ明解に行われたこと。
判定会議(2月中旬)
- 判定会議は研究科長が招集し、研究科委員会構成員の3分の2以上の出席を必要とします。
- 主査及び副査が判定会議において論文の評価に関し意見を述べます。
- 合否の判定は研究科委員会構成員の投票によるものとし、有効投票数の2分の1以上の賛成をもって「合格」とします。