学部学科・大学院

大学院生からのメッセージ

長期履修制度を活用して
仕事を大切にしながら研究を

澤木 涼子 さん
健康科学研究科 博士前期課程2年/山梨学院短期大学食物栄養科出身/勤務先:丸の内病院(栄養課)

管理栄養士として患者様の栄養管理や栄養指導を担当しながら、「術後せん妄(意識の混乱)と関連する因子の解明」の研究に取り組んでいます。せん妄の発症は不要な治療を招くこともあるため、せん妄発症抑制に向けた実践的な研究を通して患者様やご家族の身体的・精神的苦痛の軽減を目指しています。松本大学大学院は長期履修制度があるため、仕事を続けながら自分のペースで研究を進められる点が魅力です。日々の業務を大切にしながら、新しい知識やスキルを得られるリスキリングの場として最適だと思います。

運動の影響を俯瞰的に探求し
健康格差の是正に挑む

清水 純也 さん
健康科学研究科 博士後期課程2025年3月修了/松本大学人間健康学部スポーツ健康学科出身/日本学術振興会特別研究員(PD)/所属先:東京科学大学 生体情報継承学分野

運動に対する筋肉の適応性には個体差が大きく、健康格差の一因となっています。これまでに私は、筋肉の『遺伝情報』が運動で改変され、それが適応性を支えていることを明らかにしてきましたが、個体差がいつ、何によって生じるのかは、解明できませんでした。そこで2025年度からは、妊娠期の母体運動に着目し、それが胎児筋肉の遺伝情報や適応性に与える影響を包括的に解析することで、『個体差の起源』を明らかにしていきます。この知見をもとに、運動の恩恵を受けにくい人々への支援策を創出し、健康格差の是正に挑みます。

日本学術振興会 特別研究員に採用

清水純也さんは、博士後期課程2-3年次に日本学術振興会特別研究員(DC2)に採用されました。これは、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者を「特別研究員」として採用し、支援する制度です。採択率は例年18%前後の狭き門で、採用された清水さんには、2年間にわたり日本学術振興会から給与に相当する研究奨励金と研究費に相当する特別研究員奨励費が支給されました。博士後期課程修了後には、新たに特別研究員(PD)として採択され、新天地でさらなる研究の発展に挑んでいます。

修士論文テーマ例

2024年度

  • マウス骨格筋の運動応答性における変異ヒストンH3.3K27R発現の影響
  • 加齢中の骨格筋での運動に対する遺伝子応答におけるヒストンH3.3リン酸化の意義

2023年度

  • 神奈川県湯河原町の青年期および壮年期における肥満と生活習慣に関する研究
  • 乳児期に保護者が実施した離乳食への対応と3歳児期における食への困り事との関連
  • 中央競技団体におけるスポーツ組織マネジメントの実態 -スケート・スピードスケート-
  • マウスにおける咀嚼能力と全身運動機能の関係

2022年度

  • 加齢によるマウス骨格筋の運動応答性変化とそのエピジェネティック機構の検討
  • 運動による骨格筋ヒストンターンオーバー活性化におけるヒストンシャペロンSPT16の役割

2021年度

  • 児童発達支援センターにおける障害のある子どもの保護者の食に関するエンパワメントを支援するための質的研究
  • 後期回復期心臓リハビリテーションプログラムにおける活動量計の有効性
  • 3T3-L1脂肪細胞におけるcAMPシグナル系による糖代謝調節遺伝子の発現調節機構の解析
  • 運動誘発性H3K27me3修飾は骨格筋の遺伝子応答を強化する
  • 壮年期における野菜摂取頻度に影響を与える生活習慣および食行動・食態度について ―質問紙を用いた量的調査と特定保健指導担当者へのインタビューに基づく計量テキスト分析から―
  • 3T3-L1 脂肪細胞におけるZhx ファミリー遺伝子の発現調節機構の解析

博士論文テーマ例

2024年度

  • EZH1 1/2スイッチング:マウス骨格筋における運動誘発性H3K27me3 およびH3K4me3を制御するメカニズムの検証

2023年度

  • 幼児期・学童期における給食の教育的価値

長野県科学研究費助成金採択実績

一般財団法人長野県科学振興会が県内で科学研究をしている個人又は団体に交付する「科学研究費助成金」において、松本大学大学院生が採択された実績をご紹介します。

2018年度

大沢 育未 運動の新規効果「ヒストンターンオーバー」とH4K20me3の関係を検証する

2016年度

花岡 由紀奈 SHARP-2はインスリン遺伝子の転写に関与するか
三島 歩実 SHARP-2とATBF1との相互作用の解析

2015年度

座光寺 知恵子 癌化学療法中の患者における味覚障害の検証と支援のあり方について
塚田 晃子 インスリン誘導性時計遺伝子と SIRT ファミリー遺伝子の発現相関
柳澤 有希 AICAR によるインスリン誘導性転写因子 SHARP-2 遺伝子の発現調節機構の解析
このページ先頭へ