教育・研究

文部科学省採択事業 大学教育再生加速プログラム(AP)

松商短期大学部の高大接続推進事業

松商短期大学部は、文部科学省が実施する平成28年度大学教育再生加速プログラム(通称AP)「高大接続改革推進事業」に採択されました。

APとは

平成26年度から実施されている「大学教育再生加速プログラム(AP)」(以下「AP」)は、これまでの特色ある教育を支援する「GP 事業」等により実施された教育改革を踏まえた上で、わが国の高等教育に共通の課題に対して取り組む大学を支援することにより、大学教育の質的転換の加速を促し、大学の人材養成機能の抜本的強化を図ることを目的とするものです。( 日本学術振興会サイト 参照)

平成28年度のAPにおける「高大接続改革推進事業」について

平成26年度に開始されたAP事業では、これまで「アクティブ・ラーニング(テーマⅠ)」、「学修成果の可視化(テーマⅡ)」、「入試改革・高大接続(テーマⅢ)」、「長期学外学修プログラム(ギャップイヤー)(テーマⅣ)」に関する取組を支援してきました。
今回のテーマは、これらの教育改革を包含しつつ、大学での教育の成果を広く社会に公表するために「卒業時における質保証の取組の強化」となっています。これをテーマⅤとして、テーマⅠ~ⅤをAPにおける「高大接続改革推進事業」として位置付けられました( 日本学術振興会AP制度概要 参照)。
従いまして、本学が採択されたテーマⅤは、今日の高等教育で求められている教育改革のテーマⅠ~Ⅳをすべて含み、わが国の高等教育改革の一つの方向性を示す取組になっています。

本学の取組の概要

1学生の能力(コンピテンス)育成

応用可能な能力のことを“コンピテンス”と言いますが、本学では学修する際に修得できる“メモを取る力”や“読解力”、“文書作成力”や“プレゼンテーション力”などを育成する取組を実施しております。これらは、レポートの作成やディスカッションなどの“アクティブ・ラーニング”を通して育成されるコンピテンスですが、本学ではアウトキャンパス・スタディや「出席レポート」の取組等で育成してまいりました。平成29年度からは、これまでのコンピテンス育成の取組をさらに充実させる観点から4学期制を導入し、グローバル・コンピテンスの育成も視野に入れた取組を開始します。

2主体的に学修を進める環境の整備

本学では、振り返りによる知識の定着の観点から、学生の学修成果を「学修ポートフォリオ」として蓄積する取組を実施していますが、ICT教育が充実してきたのに伴って、学修成果をデータとして蓄積する「eポートフォリオ」の取組を実施します。また、これら知識の定着に資する取組に加えて、学生が自分自身の学修状況を把握し、自分のコンピテンスを育成するために主体的に学修を進める仕組みを構築します。具体的には、各科目で育成されるコンピテンスを明示した「コンピテンス配分表」や、短大教育で重視するコア・コンピテンスに対する「ルーブリック」を作成します。そして、このような学修成果の可視化を通して、学生が主体的に学修を進める環境を整備します。

3「ディプロマ・サプリメント」による卒業時の質保証

欧州では、卒業時に学位記と成績証明書に加えて、学生のコンピテンス育成の成果を示す「ディプロマ・サプリメント」を発行する取組が行われています。そこで、本学においても成績証明書に加えて卒業時に学生のパフォーマンスを示す「ディプロマ・サプリメント」を発行することにいたしました。この「ディプロマ・サプリメント」により、企業サイドからは、学生のパフォーマンスの情報が増えることにより、労働力の質に関しての比較可能性が高まることが期待され、学生サイドからは、学業成績に加えて、育成されたコンピテンスの状況やパフォーマンスを示すことができ、就職活動等でのアピール力が高まることが期待されています。(下図参照)

4第三者による教育改革への助言と評価

今回のAPは「卒業時における質保証の取組の強化」がテーマになっています。つまり「卒業段階でどれだけの力を身に付けたのかを客観的に評価する仕組みやその成果をより目に見える形で社会に提示するための効果的な手法等を開発するとともに、大学教育の質保証に資するため、学外の多様な人材との協働による助言・評価の仕組みを構築するもの」(文部科学省ホームページ)となっています。そこで、本事業に対しては、本事業を評価する「外部評価委員会」に加えて、企業関係者、大学関係者、高等学校関係者、行政関係者で構成される常設の「外部評価・助言委員会」を設置しました。

5本事業の普及

本「AP事業」は、今後の日本の教育改革の方向性を示すような取組に対して支援を行う事業です。従いまして、本事業に採択された大学は、先導的な取組としてその取組を広く社会に公表し、普及させることが求められています。本学においても、ホームページやパンフレットに加えて、フォーラムやシンポジウム等を通して広く情報を発信していきます。

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