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阿部守一長野県知事の特別講義 「みんなでつくる2050年のNAGANO~人口問題に向き合い、具体的な行動へ~」が行われました
松本大学図書館長
総合経営学部長 教授 清水 聡子
2025年7月2日、総合経営学科「松本大学と地域」(1年次必修科目)において、阿部守一長野県知事による特別講義「みんなでつくる2050年のNAGANO~人口問題に向き合い、具体的な行動へ~」が行われました。阿部知事による松本大学での2度目のご講義となりました。
長野県の2050年の将来推計人口は、現状推移ケースでは159万人、改善ケースでも169万人となり、現状のまま何もしなければ、2001年のピーク時から約3割減少する「人口7がけ社会」が到来する見通しです。2024年の長野県の合計特殊出生率は1.30、全国を上回っているものの5年連続で低下、高齢化が進み、2050年には高齢者が総人口の4割を超える見通し、現在、出生数は過去最低を更新、また20~24歳の転出超過が最も大きく、同世代の女性の転出超過が最も深刻、一方で30~39歳の子育て世代は転入超過が続いています。
人口減少で困ることとして、担い手不足、医療・福祉・交通・物流サービスの低下、地域のコミュニティの弱体化、インフラや行政サービスの維持、消費の減退、産業の競争力低下、社会保障や税負担の増加、空き家や空き地の増加、娯楽施設の撤退があります。
人口減少下の希望の種として、ひとり一人にあった学びの実現、誰もが社会で活躍できるチャンス、新たなビジネスチャンス、行財政改革やまちの再生、AI・ロボット技術等の飛躍的な発展があると説明されました。
就学・就職等のために20代前後の層が、魅力・利便性・自由度の高さ等を求めて東京に流入、一度東京に来ると、地方に移住しにくい環境と考えられる東京一極集中の要因が説明されました。しかし、首都直下地震等が切迫する中で諸機能・施設が東京に集中するリスクがあります。今後、さらに一極集中を促進しかねない要素、一極集中緩和の可能性のある要素が提示されました。
「信州未来共創戦略」や戦略に基づく阿部知事の「私のアクション」が示されました。そして「自分たちが行動すれば、社会は変えられる」と若者が実感できる長野県にしていくと学生に語りました。若者・女性から選ばれる寛容な社会づくりとして、若者の社会参画を促進するために、ライフデザイン支援の強化、審議会等への若者参画、信州みらいフェスや信州若者みらい会議の開催、若者の居場所づくりとして市町村におけるユースセンターの設置、沖縄県との交流連携協定に基づく両県の若者の様々な出会いや交流の機会の創出など、長野県のさまざまな若者施策が紹介されました。最後に、人口問題やこれからの社会を自分事として捉え、一緒に考えてほしいと呼びかけがありました。
【学生の感想】
- 「人口減少対策においては、若者や子育て世代の定住促進、地域の魅力発信など、長野県の将来を見据えた持続可能な政策が展開されており、地域の活力を維持する上で有効であると感じた。また、被選挙権年齢の引き下げに関しては、若者の政治参加を促進し、社会に対する当事者意識を育む機会を広げる点で意義深い。若い世代が政治の世界に入りやすくなることで、多様な価値観が政治に反映されるようになり、民主主義の活性化につながると考える。阿部知事の取り組みは、未来志向のリーダーシップの一例であり、他の自治体にも良い影響を与えるものだと感じた。」
- 「今回の講義を通してもっと政治や社会に若者が関心を持ち、長野県をよりよくして、将来は長野県に貢献できるような人材になっていきたい。」
阿部守一知事、学生への温かいメッセージ、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。