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2025/08/05
  • 教育研究情報

サービスマーケティングA「地方鉄道の現状と沿線まちづくりの取り組み-しなの鉄道の事例から-」

松本大学図書館長 
総合経営学部長 教授 清水 聡子

2025年6月24日(火)、サービスマーケティングAの講義において、株式会社三菱地所設計、筑波大学大学院客員教授 岡田忠夫先生(元しなの鉄道専務取締役)が「地方鉄道の現状と沿線まちづくりの取り組み-しなの鉄道の事例から-」をテーマにご講義されました。地方鉄道の現状と課題、地域活性化の取り組みを中心に授業は展開されました。

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信越本線は1893年に全線開通しました。長野オリンピックに向けた長野新幹線の開通に伴い、我が国初の「並行在来線」として、1997年「しなの鉄道」は発足しました。北陸新幹線(長野新幹線)の金沢延伸に伴い、2015年北しなの線が開通しました。2024年3月16日、北陸新幹線は敦賀まで延伸しています。

地方鉄道の課題は利用者の減少、従業員の減少・高齢化、設備の老朽化です。地方鉄道が存続するためには、「公共性」と「収益性」、広域的ネットワーク、「自助・共助・公助」が求められていると提示されました。

次にしなの鉄道の沿線における地域活性化の取り組みとして、沿線自治体との連携による利用促進、車両更新におけるクラウドファンディングの活用、沿線のイベントとの連携(信濃追分駅)、駅舎改修における住民ワークショップの活用(御代田駅)、駅舎改築に合わせたテナント賃貸による収益性向上(大屋駅)、沿線の高校との連携の事例が紹介されました。

地域活性化の取り組みにあたっては、社会的意義(大義名分)、地域でのコミュニケーション、持続可能な組織(収益性の確保)が大切であり、地域活性化の取り組みを通して目指すことは、波及効果、地域資源、人材育成であると学生に訴えました。

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松本大学はアルピコ交通上高地線の北新・松本大学前駅から徒歩2分の場所に立地しています。アルピコ交通上高地線への提案を考え、自分の考えた提案を具体化するためには、どのように進めて行けば良いのか、アクションを起こしてみようと演習課題が出されました。学生から「北新・松本大学前駅の改修案を考えたい」といった声や「上高地線の絵本を作りたい」といった声が出ております。

さらに「妙高市高大連携まちづくりプロジェクト」のご案内があり、観光ホスピタリティ学科3年小林史弥さんと総合経営学科4年栗原拓真さんが参加しました。岡田先生、多くのご教授、ありがとうございました。

総合経営学部では理論と実践の融合を目指し、学生の活躍の場を創出してまいりたいと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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