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小学校での講演会「ホンモノに学ぶ」にて講話
学校教育学科
教授 澤柿 教淳
某県B小学校での講演会『ホンモノに学ぶ』において、お話をさせていただきました。タイトルは「多くの謎が眠る南極へGO!」です。今回は、校長先生の計らいで上学年の部と下学年の部の2部制で行うなど貴重な時間を割いてくださいました。
これまで幾度となく「南極授業」をさせていただいてきましたが、毎回が試行錯誤の連続です。どのコンテンツをメインにするか、そのメインの前後をどういう順番で組み立てるか、体験の場を優先するか、議論の場を優先するか。そこには決して正解はありませんが、子どもたちの思考の道筋に合致したものであったかどうかは、すぐに手応えとして自分に返ってきます。
当初の私のプランはこうでした。
- 上学年は、「南極での地球温暖化」を中心に、2つのジレンマ課題で議論する場を設ける。
- 下学年は、「南極の生き物たちの姿」を中心に、2つの体験活動とクイズの場を設ける。
数日前になって、私は校長先生と当日の内容について打ち合わせをしました。校長先生は、基本的にはお任せする、けれどもそれでは困るでしょうから、と当初の私のプランに対して優先順位を示してくださいました。これがズバリ的中した、と感じました。
当日、最初の画面が映し出されるや否や、あちこちからさまざまなつぶやきがでてきました。発言を促すとすぐに勢いよく手が挙がります。子どもたちの興味津々な反応にこちらも嬉しくなってきます。そのままにぎやかな雰囲気で講演が進んでいきました。ゆっくりゆっくりと。子どもたちとのやりとりを楽しみながら。おかげで準備した内容の半分も進まないうちにあっという間に終わりの時間となりました。子どもたちは「まだ続けてほしい」「また話に来てね」と言ってくれました。とてもありがいたいことで嬉しいことでした。
何かに集中して取り組むといった体験は、この時期の子どもたちにとって鮮明な体験となるといいます。かつて、生活科の教科調査官だった先生は「時間を忘れて没頭する、ということも知的な気付きのひとつ」だというようなことをおっしゃっていました。このような夢の中にいるような時間を可能とした要因は、子供の実態をつかんでいらっしゃった校長先生の鋭い視点でした。同時に、子供の姿が見えない中でプランすることの危うさを自戒しました。
貴重な機会をいただきました教職員の方々、全校児童の皆様、どうもありがとうございました。
下学年の部での体験的な場
上学年の部での議論の場
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