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乗鞍高原における募集企画のご報告

観光ホスピタリティ学科
非常勤講師 中澤 朋代

以下の通り、松本市乗鞍高原にて持続可能な観光地域づくりのテーマで活動するゼミナールの学生が、「乗鞍を剪定しよう」を開催しましたので報告いたします。

去る6月22日(土)、幼児から大人まで広い世代の方10名にご参加いただき、中澤ゼミ主催のイベント「乗鞍を剪定しよう」が実施されました。募集期間は約1か月で地元住民を対象に募集し、信州環境カレッジの地域講座として登録されました。当日はとても気持ちの良い晴天~曇りで、学生14名による準備を経て、当日はうち9名による進行でプログラムが進められました。

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集合挨拶

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森づくり活動はリトルピークスのスタッフが指導

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幼木をのこぎりで切り集める

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作業に汗を流す参加者

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手入れ前

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手入れ後

乗鞍高原は、かつて松本盆地からほど近い温泉保養地とスキー場、夏は森林レクリエーション地域として多くの方が訪れていました。また、牧場や蕨小屋の土地利用があり、草原景観が保たれてきた高原です。しかし、近年はそうした土地利用が無くなり、また地域の人口減少も重なり草原の維持が困難になってきています。昨年のゼミナール活動において現地を数度訪れる中で、学生らは「森の手入れ」を体験する機会がありました。その後、こうした作業を楽しめるような訪問者向けのアクティビティができないかと、試行錯誤してきたのがこのプログラムです。

当日は午前中の2時間程度で十数人が作業し、そのエリアは明らかに森に風が入って見通しが良くなり、野生動物の侵入もしにくくなった安心できる森となりました。参加者の皆さんはのこぎりを片手に、お互いに協力しあいながら作業し、気持ちの良い汗を流していました。

お楽しみの昼食は、先回りした学生が会場を準備し、スムーズにアウトドアクッキングを楽しめるように準備しました。チェアに座って説明を聞き、ホットドッグを牛乳パックで作るアウトドアクッキングを行い、皆で和気あいあいと話しながらのランチでした。

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昼食の説明

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ランチ会場風景

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火起こしタイムアタック

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一ノ瀬園地をハイキング

昼食後は火起こしタイムアタック・ゲームを3チームで競い、笑い、その後マイクロバスで一ノ瀬園地に出向き、学生がガイドするハイキングを楽しみました。かつて一ノ瀬園地を訪れた年配の参加者の方は「森になりつつあり、昔とはずいぶん様子が変わった」と話していました。草原には蕨が生え、つつじが咲き、小川のせせらぎを聞きながら園地を散策しました。広場で乗鞍岳を望み、この地で乗鞍保護レンジャーの皆さんが伐採した白樺を使ったプレートを配布、思い思いにイラストを描くなど記念作品としました。

この度の企画運営は学生にとって初めての運営でした。昨年2023年度は読売旅行企画にて企画の経験はあったものの、その先の自分たちで広報し、集客し、運営から会計まで手掛けることにより、活動を実現する経験ができたことは大きな収穫でした。2回の開催を予定したうち、集客の事情で1回の開催となりましたが、お問い合わせや参加者アンケートからは「またやってほしい」、「いつもと違う目線で楽しむことができた」と大変好評をいただきました。

また、この結果からは自然観光地でのレジャーのみを楽しむだけでなく、共に作業をして汗をかき、関わることに楽しみを見いだせるのではないか、松本平と山岳部の人の行き来の好循環が生み出せられないか、という学生の問いに対して有効な示唆が得られました。

講師や教材を提供いただいた乗鞍BASE、Little Peaks、乗鞍自然保護レンジャーの皆さま、また広報にご協力いただいたアルプス山岳郷様、信濃毎日新聞社様、市民タイムス様、加えて地域関係機関として応援いただきました、のりくら観光協会、環境省中部山岳国立公園事務所、松本市アルプス山岳リゾート本部の皆さまに、ここに深くお礼申し上げます。

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