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健康栄養学科1年生が、アーリー・エクスポージャー(早期体験学習)を実施
~「家畜が食品になる」現場を見学~
健康栄養学科長
教授 髙木 勝広
2024年6月12日と19日、健康栄養学科1年生は、松本市食肉衛生検査所(松本市大字島内9839番地)にてアーリー・エスクポージャー(早期体験学習)を実施しました。
食肉衛生検査所は、食肉の安全・安心を確保するために、と畜検査や衛生指導を行っている機関です。と畜検査とは、「と畜場法」、「牛海綿状脳症対策特別措置法」および「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」に基づき、安全な食肉を提供するために行われる検査で、獣医師であると畜検査員が病気がないか・異常がないか・食用に適しているかをと畜場(家畜を食用にするために解体処理する施設のこと)で家畜1頭ごとに検査します。ここで検査に合格した食肉が、地域のスーパー等で販売されるので、私たちは食肉を安心して食べることができます。
それでは実施の内容についてです。
松本市食肉衛生検査所では、現場見学と業務説明を行っていただきました。現場見学では、はじめにと畜場に搬入された家畜(牛・豚など)の見学をしました。家畜は搬入からすぐには処理されません。1頭毎に外観や歩き方などに異常がないか、病気がないか等の生体検査をします。問題がなければ翌日に処理されるそうです。家畜を見学した後、学生たちはヘルメット、白衣と手袋等を着用していよいよ場内に入ります。場内では、解体検査、枝肉検査等の現場を見学させていただきました。
次に業務に関する座学の話でした。座学ははじめに食品衛生に関する講話で、松本市保健所食品・生活衛生課の体制および業務内容、食品衛生監視員の主な仕事内容、HACCP等について話がありました。さらに松本市食肉衛生検査所の概要と検査の食肉衛生流れ等についても講話していただきました。農家から家畜として生きた状態でと畜場内に搬入され、と畜検査の後には枝肉となり、そして食品として流通すること、もともと家畜の肉には細菌はいないが、枝肉になったときは残念なことに細菌はゼロにはならないため、処理場では、枝肉に細菌をつけない、増やさない努力を最大限にしている、など食品衛生に関する貴重な話をたくさん伺うことができました。
健康栄養学科では管理栄養士の国家試験受験資格の他に、食の安全性に関係する資格である、食品衛生管理者・食品衛生監視員やHACCP管理者等の資格も取得することができます。栄養を営むには食品、食物が必要ですが、その食品は言うまでもなく安全でなければなりません。そしてもう一歩踏み込めば、それら食品の多くは、家畜などの命を頂いたものであり、この部分は食育とも関係するところです。
<最後に、アンケートに書かれていた参加した学生の声をお届けします。>
1.現場を見学して
・「衝撃はとても強かったが、私たちが食べている食肉がどういう過程でできているかを学ぶことができ、とても勉強になった。」や「過程を見ることができてとても感激しました。」という意見もありました。
・「牛や豚を飼育する人やと殺や解体を行う人、衛生検査をして安全性を検査する人などが連携して作業を行っている様子を近くで見られてとても良い経験になった」「以前よりも食に対する意識が変わった。」
・「家畜が食肉になるまでの過程の説明を聞くことや実際に解体処理されている現場を見ることができました。食肉衛生検査所ではただ解体処理するのではなく、家畜について病気がないか検査を行い、部位ごとに炎症や腫瘍などの異常がないか確認をするなど多くの工程がありとても驚いた。」
「特に小さい子は今回みたいな見学はできないけれど、絵などを使って説明したり、実際に野菜などを育てることで、小さいときから食事の大切さを知ってもらえると思った。また、一人でも多くの人に食材のありがたみを伝えていきたい。」
「今回の体験のことを多くの人に広めていきお肉の食品ロスが減らせるようにしたいなと思いました。」
2.食品衛生監視員について
・「精密検査を行う部屋があった。病気が無いか顕微鏡で細胞を見たり、食中毒細菌がいないか培養したりして、食肉を安全に食べてもらうためにとても重要だと思った。食品衛生監視員に興味を持った。」
・「食品衛生監視員がどのような仕事をするのか想像できるようになりました。衛生管理を行うだけでなく、普及活動も行っていると聞き、驚きました。食品衛生監視員の免許を絶対に取得して卒業しようと思いました。」や「食品衛生監視員の資格を取ることは自分の可能性を広げることになるので挑戦してみたいです。」
1年生は入学して三か月が経ちました。多くの学生は大学の生活にも一通り慣れてきたところだと思いますが、また一方では学業に不安を感じ始めている学生も少なくありません。このアーリー・エスクポージャーは、職業に対する使命感や大学で学ぶモチベーションを高めることを目指したプログラムで、今回が今年度2回目。こういった学びから、自分が大学に入学した目的を再確認したり、また興味のある新たな分野を発見したりして、やる気を満タンにし、これからの4年間の大学生活を最大限に実りあるものにしてほしいと願っています。