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健康科学研究科の大学院生 清水純也さん(河野ゼミ)が日本学術振興会特別研究員DC2に採用
松本大学院健康科学研究科/健康栄養学科
研究科長・教授 山田 一哉
2021年4月の松本大学大学院健康科学研究科博士課程設置以来、わずか3年目にして初めて大学院生の清水純也さん(河野ゼミ)が日本学術振興会特別研究員DC2に採用されました。
日本学術振興会の「特別研究員」制度は優れた若手研究者に、その研究生活の初期において、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与えることにより、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的として、大学院博士課程在学者及び博士の学位取得者で、優れた研究能力を有し、大学その他の研究機関で研究に専念することを希望する者を「特別研究員」に採用し、支援する制度です。特別研究員には、大きく分けてDCとPDという分類があります。DCというのは博士後期課程在籍中の大学院生が申請できるもので、PDは博士の学位を取得した(見込みも含む)ものが申請できるものです。さらに、DCには、博士後期課程1年次在籍時に申請できるDC1と2年次在籍時に申請できるDC2があります。
DC2に採用された清水さんには、この4月から2年間にわたって日本学術振興会から給与に相当する研究奨励金と研究費に相当する特別研究員奨励費が支給されます。すなわち、大学院生でありながら国から給与と研究費を支給されて研究活動を行うことができるのです。申請書では明確な研究目的と綿密な研究計画および研究経費の記載や研究遂行能力の自己分析や目指す研究者像等の記述も求められます。審査は、教員が申請する文部科学省や日本学術振興会の通常の科学研究費と同様に行われます。採択率は、例年18%前後の狭き門で、国公私立大学の大きな大学院在籍の院生だからといっても必ずしも採用されるものではありません。その点でも、大変素晴らしい功績です。
清水さんは、本学人間健康学部スポーツ健康学科から、大学院健康科学研究科博士前期課程に進学し修士の学位を取得したあと、さらに研究を続けたいということで博士後期課程に進学して現在に至ります。今回の快挙は、学部生にも将来像の一つに研究者になるという選択肢を与えるものであります。今後の清水さんの研究の発展と研究者としての成長とともに、今後多くの院生が特別研究員に採用されるようになることを期待しています。
◆清水純也さんからのコメント
【研究内容の紹介】
習慣的な運動は―骨格筋の機能を改善し―健康増進に寄与します。一方で、その効果には大きな個体差があることもまた知られています。先行研究では、そのような個体差が―生まれつき、ではなくむしろ―生活習慣により「生成されていく」ことが示唆されてきました。いったいどのようなメカニズムで、そのような個体差が生じるのか―、については、しかしながら、わかっていません。ここを、本研究は明らかにしていきます。その意義としては、運動効果を誰でも―たとえ「寝たきり」に置かれた人でも―獲得できる医療の実現、これを後押しする重要な知見を提供することにあります。
【特別研究員採択とその決意】
社会問題の発見―そして、解決。この追求を自らの社会的責任と考え、私は、学部から現在に至るまで、松本大学でトレーニングを重ねてきました。将来的には、だから、分野を担う研究者となり、社会構造を変えるような成果を、国境を超えて齎したい―そうして、世界の発展と平和、そして持続に貢献していきたい―、このような思いにあります。その重要なファーストステップとして、特別研究員採用期間は位置付けられます。ここで得た成果の発表は、従って、国際的な空間において―国際学会や国際学術誌において―影響力を持って、遂行していかなければならないと考えます。まずはここに向けて、自らの仕事に最大限の力を注ぐ所存です。