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2023年度 学位授与式を挙行しました
652名の修了生・卒業生が新たな一歩を踏み出します
本日3月15日(金)、2023年度松本大学・松本大学松商短期大学部・松本大学大学院の学位授与式を挙行いたしました。今年度は、大学院健康科学研究科(博士後期課程)、総合経営研究科(修士課程)の一期生が修了を迎え、大学院健康科学研究科5名、大学院総合経営研究科4名、総合経営学部181名、人間健康学部169名、教育学部82名、松商短期大学部211名の計652名が修了・卒業し、新たな一歩を踏み出しました。また、ご来賓および保護者の方々にも同席いただき、盛大な式を執り行うことができました。
晴天に恵まれたキャンパスには、学生たちの笑顔が溢れていました。その様子を写真でご紹介するとともに、学位授与式にて修了生・卒業生に送られた学長告辞をご紹介します。
告 辞
うららかな春日和のもと、せせらぎの水もぬるみ、新たなる命の芽生えを肌で感じる季節を迎え、本日ここに、皆さんの晴れの舞台である2023年度学位授与式を挙行できますことを大変嬉しく思います。
また今年度は、より高度な専門性を持った、大学院総合経営研究科修士課程の第1期生、並びに大学院健康科学研究科博士後期課程を修了し、本学では初めてとなる博士を輩出できることは、重ねての喜びであります。
松本大学並びに松本大学松商短期大学部卒業生の皆さん、松本大学大学院修了生の皆さん、このたびは誠におめでとうございます。また今日まで、心からの励ましと陰に陽に支えを続けてこられ、我が子の成長した姿を目に焼きつけたいと大学に足を運んでくださった保護者の皆様にも、心からお慶びを申しあげます。併せまして、ご子息、ご息女の在学期間を通じて、本学にお寄せいただきました多大なるご支援に、改めまして深く感謝を申しあげる次第でございます。
ご存じのように、長期に渡り私たちの日常生活をおびやかした新型コロナウイルス感染症は、君たちの「学びのスタンス」に、甚大なる負の影響を及ぼしました。まさに大学生活のまる二年間、また短大生に至っては一年間の学生生活がそのまま、いわゆる「コロナ禍」となりました。学修体制は通常の対面による講義がオンライン形式と併用になり、演習や実習も制限が多く、慣れない経験を重ねながら苦渋の日々に追われたことと推察しております。
このようにコロナ禍に見舞われた日常の生活は、何かと不便なことが多かったわけですが、その半面、様々な教訓を私たちにもたらしたことも事実であります。それまでごく当たり前だと思っていたことや、毎日通学し、教室で講義を受けること、またクラブやサークル活動に熱中すること、友人と向かい合って食事をすることなど、それらが 実は学生生活においてかけがえのない事象であることに気づきました。更には、社会全体がデジタル化に向けて加速し、新たな暮らしに的確に対応すべく、多岐にわたる変化が起きていることも体感しました。
また学修生活の面においても、数多くの制約があったことにより、そのような状況下でいかにして効果的に知識を修得するか、併せていかにして地域の方々と関わるべきか、恐らく可能な限りの試行錯誤を重ねる中で、柔軟性と適応力を発揮しつつ、ひたすら学修活動に勤しみ、徐々に諸課題を解決する能力を身につけ、自らの問題意識や尽きることのない興味に基づいて、学ぶ力を磨いたのではないかと推測しています。
そして、皆さん各人の忍耐強い弛まぬ努力により、このような苦境を立派に克服し、卒業のゴールに到達されましたことに、改めて心からなる拍手を送るものであります。
さて、現今の世界の動向に目を向けますと、長期化、泥沼化の様相を呈するロシアのウクライナ侵攻や、イスラエル軍とイスラム組織ハマスとの戦闘、北朝鮮、中国の軍拡情勢をはじめ、平和な社会を脅かす出来事が続き、我が国においても、先行き不透明な経済状況や国政への不信感、加えて防衛力増強への動きや原子力政策の転換、また少子高齢化による人口減少が急速進展を見せており、将来が予測不能な事態に直面しています。しかし、そのような昏迷極まりない状況下であっても、信頼性に欠く過剰な情報などに惑わされることなく、物事を冷静に分析し、正しく判断することが不可欠であると思います。これからのわが国の新しい時代を担っていくのは、まさに今ここにいる皆さんたちです。どうか自らの力を信じ、どのような困難な状況にあっても希望を失うことなく、勇気と行動力を持して歩みを進めていただきたいと切に望むものであります。
ところで、改めまして君たちの大学生生活はいかがでしたでしょうか。四季折々の美しい風景、自然豊かにして伝統文化が息づき、生活環境も良好な松本の地において、君たちは確かに四年間あるいは二年間にわたる春風秋雨の歳月を、学生として楽しみ、時には苦悩しながらキャンパスライフを送ったことは紛れもない事実であります。これこそがかけがえのない青春時代の〝学びの旅〟であり、改めて自分自身が収穫し得た知的財産は何であったのかを反すうしながら、深慮してほしいと強く願っています。
皆さん方の多くは、4月からいよいよ社会人として、また職業人として、これまで温かく見守られた教育環境から巣立ち、一転して厳しい社会の荒波の中に突入していくことになります。 逆境の中で耐え抜いた大学生活を糧にして、急速進展するデジタルトランスフォーメーションや生成AIの登場など、これから遭遇するであろう幾多の困難や重圧を乗り超える強靭な志と不断の努力に加え、本学での多岐にわたる学びを最大限に活かし、常にプラス思考の下、大いなる飛躍に向け力強く前進されることを願って止みません。
結びになりますが、人生や人の生き方に教科書はありません。次代を担う若者としての勇気ある行動に加え、新たな創造に向けての努力を重ね、健康には十分留意しつつ、人間社会のエリートとして、地球規模の視野に立ち、人類の平和に役立つ生き方や多彩な社会活動にも関心を深めてくださることを心から願っています。皆さんの輝かしい前途を祝し、また、これまで君たちの成長を大学と共に支えてくださった地域社会の方々、そして何より温かく見守っていただいた保護者の皆様方に衷心より敬意を表し、告辞と致します。
重ねて本日は、誠におめでとうございます。
2024年3月15日
松本大学
松本大学松商短期大学部
松本大学大学院
学長 菅谷 昭