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スポーツ健康学科卒業生の卒業論文が国際科学誌に掲載されました

スポーツ健康学科
准教授 河野 史倫

スポーツ健康学科の2018年度卒業生、吉江俊浩さん(現研究生)と、齋藤千春さんの卒業研究を国際科学誌「Laboratory Animal Research」に発表しました。以下に、その概要をご紹介します。


運動などの生活習慣によって生じた遺伝子変化は、骨格筋に残存し、将来における運動効果獲得や病気のなりにくさに影響する、いわゆる"マッスルメモリー"となります。これまでの研究では運動習慣による遺伝子変化を主に追究してきましたが、その他の生理刺激による影響は調べていませんでした。そこで吉江さんと齋藤さんは卒業研究において、若齢期の高脂肪食摂取が加齢に伴う身体機能変化にどのように影響するのかをマウスを用いて研究しました。

発育中のマウスに高脂肪食(60% kcal)を2か月間摂取させた後、通常食に戻し、加齢に伴う代謝変化を1年間経時的に調べました。通常食のみを摂取したマウスでは、加齢に伴い糖尿病に似た耐糖能低下が徐々に進行しました。しかし驚くべきことに、高脂肪食摂取したマウスでは、このような耐糖能低下が抑えられるという結果が得られました。骨格筋では、高脂肪食摂取によって脂質代謝に関係する遺伝子の発現が増加しましたが、このような遺伝子の発現が加齢後も増加したまま残っていることも明らかになりました。以上の結果から、高脂肪食摂取によってマッスルメモリーが形成され、加齢後の身体機能に影響を与えることがわかりました。

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