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2021/03/23
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大学院修了生の修士論文がアメリカの科学誌「FASEB Journal」に掲載

松本大学大学院 健康科学研究科
准教授 河野 史倫

大学院健康科学研究科2019年度修了生・大沢育未さんの修士論文がアメリカの科学誌「FASEB Journal」に掲載されました。

大沢さんは修士特別研究で、運動によって骨格筋の遺伝子構造がどのように変化するのかについてマウスを用いて研究を行いました。遺伝子はヒストンというタンパク質に巻き付き折りたたまれていますが、慢性的な運動はヒストンの置き換わりを活発にすることが分かりました。これは運動によって獲得できるこれまでは知られていなかった効果であり、我々はこのような仕組みを"運動誘発性ヒストンターンオーバー"と命名しました。ヒストンターンオーバーが活性化された骨格筋では、単発の運動に対する遺伝子の応答が劇的に高まりました。運動による骨格筋の適応変化を引き起こすために、ヒストンターンオーバーは重要な仕組みであると考えられます。

運動に対する反応は誰しも同じとは限りません。過去の運動習慣により遺伝子構造が変化し、それによって運動に対する遺伝子の応答性が変わることが今回の研究結果から見えてきました。ヒストンターンオーバーは、運動効果獲得になぜ個人差が生じるのかを解明するための新たな切り口になると確信しています。

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