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2019/08/19
  • アウトキャンパス・スタディ事例

味噌生産高全国第1位のマルコメから経営戦略を学び、工場見学を行う、飯塚ゼミのアウトキャンパス・スタディ

松商短期大学部経営情報学科
准教授 飯塚 徹

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飯塚ゼミでは経営学を学び、現場を知り、実践的に学ぶために県内製造業を中心にアウトキャンパス・スタディを実施しています。夏季休暇中である、8月7日に、味噌生産高全国第1位で、人気経済番組「カンブリア宮殿」でも、成長企業として、採り上げられた、長野市のマルコメ株式会社を訪問し、生産本部の井合様から、会社概要や経営戦略などをパワーポイントで説明していただき、その後、効率を極めた(無人化)工場見学を行いました。

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まず、味噌について、全国の味噌は49%が長野県から出荷され、そのなかで、マルコメは25%を占め、年間107,700t生産していることを聞き、驚愕しました。参考までに、全国第2位も長野県内のハナマルキで12%を占め、年間50,500tを生産しています。

マルコメは、味噌業界も驚く革新的な味噌を作ってきた会社です。現在、販売する味噌は27種類で、売れ行きナンバーワンの「料亭の味」は、1982年に業界に先駆けて売り出した「だしいり」の味噌です。開発に至った発端は、お客様からの「マルコメの味噌で味噌汁を作ったが美味しくない」とのクレームです。担当者が詳しく話を聞くと、「マルコメの味噌を熱湯に溶かし具材を入れて味噌汁を作った」とのことでした。「だし」をとらずに、味噌汁を作ったということです。この状況に、当時の青木社長は「だし」入りの味噌を作る生産・販売することを決意します。青木社長以外の役員は「絶対、売れない」と反対しましたが、推し進め、大ヒット商品としました。そのプロジェクトには、井合様も直接関わっており、苦労話などを聞くことができました。また、「液味噌料亭の味」は1杯分の味噌汁が簡単に作れる液体タイプで2009年に生産・販売し、マルコメがいち早く市販化しました。そして、昨年販売したのは「料亭の味コナミソ」で粉末状であり、味噌味の炒め物などを作るのも簡単で、料理のレパートリーが大きく広がる商品として好評です。

国内の味噌消費量は、人口減少や洋食が好まれていることなどから頭打ちとなり、国外にも積極的に展開しています。アジア、欧州、オーストラリアをターゲットとして、オーストラリア出身の女優のミランダ・カーを起用し、味噌、麴甘酒などを広告・宣伝しています。

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工場見学では、365日24時間体制で味噌商品を生産・販売しているラインなどを解説付きで案内していただきました。無人化を進め、効率性を徹底し、それでも、最後の最終確認は、人の目で行うということが、とても印象に残りました。また、過去のCMも時系列で見させていただき、時代を感じました。そして、従業員の働き方改革を進めているという人事面のお話も聞けました。

学生は、パワーポイントの説明や工場見学のポイントなどをメモし、「国内シェアNo1はすごい」「工場の無人化が進んでおり綺麗で驚いた」「最後は人の目で確認するんだ」などと感想を述べていました。マルコメ商品の詰め合わせのお土産もいただき、商品開発者の貴重な裏話を聞け、挑戦を止めない社風などを体感でき、就職活動にも参考となり、貴重なアウトキャンパス・スタディになりました。

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