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スポーツ健康学科卒業生、大沢育未さん(現大学院生)の卒業論文がアメリカ生理学会誌に採択
松本大学大学院 健康科学研究科
准教授 河野 史倫
習慣的な運動は、筋肉への負荷や代謝刺激になるだけでなく、クロマチン構造を変化させることで遺伝子の読み出しやすさに影響を与えます(運動エピジェネティクス)。以前の研究で我々は、運動経験があるラットでは廃用性筋萎縮が起こりにくいことを明らかにしました。そこで大沢さん(当時スポーツ健康学科4年生)は、運動エピジェネティクスを引き起こす運動条件を明らかにするため、ラットを使った研究を行い卒業論文をまとめました。この研究成果がアメリカ生理学会誌「Journal of Applied Physiology」に認められ、学術論文として掲載されることが決定しました。
1日の運動時間が多いラットでは、DNAを巻き取るヒストンというタンパク質が置き換わる"運動エピジェネティクス"が引き起こされました。しかし、1日あたりの運動時間が短いと、長期間運動を行ってもヒストンの置き換わりは起こりませんでした。この結果は、運動によって将来の筋肉量維持にメリットをもたらすためには1日あたりの運動量が重要であることを示します。今回の成果は、将来に良い効果を残すためにはどんな運動が必要なのか?を解明するための足掛かりとなります。さらに研究を進め、ヒトにも応用できる運動条件づくりのための理論を確立したいと考えています。
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