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2016/08/19
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大町岳陽高校との高大連携実験教室を開催して
松本大学大学院 健康科学研究科長
山田 一哉
山田 一哉
8月18日(木)に大町岳陽高校理数科2年生40名と実験教室「自分の遺伝子型を調べてみよう」を開催しました。
昨年、COC事業の一環として松本美須々ヶ丘高校に出張して実験教室を開催しましたが、その内容について大学HPにアップしたところ、ほどなく大町高校(当時)の先生から連絡が入り、本年度COC+事業として開催する運びとなりました。今回は、大人数のため高校生をバス送迎し、本学で実験教室を行いました。
実験内容は、例年と同様、受講生の唾液からDNAを単離・精製し、ALDH2遺伝子・B3AR遺伝子・ACTN3遺伝子の一塩基多型(SNP)を決定することにより、それぞれお酒に強いか弱いか・太りやすいかどうか・短距離走型筋肉の持ち主か長距離走型筋肉の持ち主かという体質を調べる内容で、「物質」としての遺伝子と「情報」としての遺伝子の双方を理解することを目的としています。
今回は、対象が理数科の生徒ということもあり、7月中に実験マニュアルや資料を高校から配付してもらいました。
基礎知識を勉強してもらった上で実験を行った初めてのケースとなりました。
当日は、山田ゼミと高木ゼミの大学院生、4年生、3年生計10名がティーチングアシスタント(TA)として、浅野助手と塚田助手にもご協力を頂いて運営しました。予定外で高木教授にも協力を得ました。
はじめに若干のバス遅延トラブルがあったものの、高校生は約1時間弱のバス移動をものともせず、元気に実験を行ってくれました。
実験教室では、唾液からまずDNAを抽出しますが、唾液が出やすい生徒・出にくい生徒などさまざまでした。DNAが析出するところでも、糸くずのようなDNAが見られる人もいれば全く見えない人もいました。これらの点では、何事にも個人差があるということをTAの皆さんも実体験として感じたことだと思います。遺伝子型を解析するためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をかけたところで、昼食・休憩となりました。休憩後は、DNAそのものについて、一塩基多型を解析する遺伝子の生理的役割について、またPCRについて、浅野助手の「一塩基多型と体質」に関する講演で説明を受けました。その後に、PCR反応産物のアガロースゲル電気泳動を行い、遺伝子型を判定しました。多くの生徒が遺伝子型を判定できましたが、一部の学生はできませんでした。実施者としてもちろん100%の成功率を目指していますが、過去の実験教室でもどこかで何かがあり結果を手にすることができない生徒もいたのは確かです。それも含めて実験だということを生徒も理解してくれました。
自分の遺伝子型が判明したときに、友達との間で、積極的に情報を交換しあい、大いに盛り上がっていました。
最後に、全員の集合写真を撮影し、クラス代表から御礼の言葉が述べられました。
実験教室終了後には、TAの院生・学生からも前向きの感想が聞かれました。
彼らが、今日の指導を糧にして、さらに成長してもらえたらと思っています。
大町岳陽高校の田中俊博教諭には準備・引率等、多くの点でお世話になりました。また、事務局にもお世話になりました。
この場を借りて、御礼申し上げます。
今後も、様々な形で高大連携を進めていければと思っています。