新着ニュース
2016/04/27
- イベント情報
COC+事業特別講演会「未病を防ぐ4つのF(Filter, Functional food, Flagellin, Fango)」を開催しました
松本大学大学院 健康科学研究科
健康科学研究科長 山田一哉 教授
健康科学研究科長 山田一哉 教授
COC+事業の一環として、4/22(金)に特別講演会「未病を防ぐ4つのF(Filter, Functional food, Flagellin, Fango)」を開催しました。
講師は、高知大学教育研究部医療学系連携医学部門環境医学の弘田量二先生にお願いしました。1・3年生を中心に、2年生、4年生、大学院生、教職員の方々も含めて約160名の参加をいただきました。
講演では、「公衆衛生とは病気を未病段階で治療し、人々の健康に役立てることを目的とする。」というところから始まり、そのために先生は4つのFに取り組んで研究されていることが紹介されました。
4つのFとは、環境中からのアレルギー誘導物質を除去する Filter、アレルギー予防効果を示す機能性食品(Functional food)、アレルギー誘導物質の侵入を防ぐ皮膚バリアー(Flagellin)、関節痛を軽減し寝たきり高齢者を増やさない温泉泥(Fango)プロジェクトです。アレルギー症状として気管支喘息に注目し、スギ花粉などのアレルゲンに加えてディーゼル排気ガスやPM2.5などアジュバントと呼ばれる物質を同時に吸入することで相乗的に喘息が引きを起こされること、非晶質鉄フィルターがアジュバントを効率的に除去できることをお話しいただきました。また、高知特産の柚子の皮に含まれるリモネンが試験管内でも生体内でも抗アレルギー効果を有する機能性成分であること、スイゼンジノリから抽出された粘性多糖類のサクランの塗布で皮膚バリアーを強化することでアトピー性皮膚炎を軽減できることもお話しいただきました。最後に、神奈川県で行われる2泊3日の「温養道」現代版湯治プランの実証実験のための温泉泥による膝の痛み軽減の効果についてお話しいただきました。
先生のご研究は、疫学に始まり、アレルゲン等の除去フィルターの開発、機能性成分の試験管内実験・動物実験・ヒトへの応用、地域産業と連携した地域活性化事業と非常に幅広いものでした。
聴講した学生からは、研究っておもしろそうとか、アレルギーをもっているので、いろいろな方法でアレルギーを予防できればいいなあ等の感想もありました。
今回の講演会をきっかけに、将来、研究方面に進んでくれる学生が一人でも多くなることを期待しています。
関連リンク