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2015/11/25
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COC特別講演会「3世代にわたる骨粗鬆症の予防法」を開催しました

松本大学健康科学研究科長 山田 一哉


11/20(金)に、COC特別講演会「3世代にわたる骨粗鬆症の予防法」を開催しました。
講師には、京都光華女子大学健康科学部健康栄養学科の廣田孝子教授にお願いしました。
健康栄養学科の1・3年生を中心に、学部生、大学院生、一般の方ならびに教員も含めて約210名の参加をいただきました。
廣田先生は、研究者として多くの論文・著書を刊行されるほか、「世界一受けたい授業」「ミラクルレシピ」「ちちんぷいぷい」など数多くのTV番組や新聞等で栄養について科学的にコメントしておられる著名な先生です。

講演では、おもに女性のライフステージでの骨粗鬆症予防法について話されました。
はじめに、骨粗鬆症のお年寄りの女性では、脊椎骨に骨折が起こって背中が曲がってしまうこと、大腿骨に骨折がおこると寝たきりになり要介護状態に陥ってしまうことをお話しいただきました。骨粗鬆症の発症は女性ホルモンの分泌低下と密接な関連があります。医学的には、薬剤投与や女性ホルモンの補充療法等もありますが、栄養学的にも関与できる領域があること、すなわち、栄養士が専門性を発揮して関与できる領域があることを力説されました。
女性ホルモンが分泌され始める思春期、分泌が維持される青年期、分泌が止まる更年期・老年期にわけてご説明いただきました。
思春期に蓄積した骨密度を100%として、70%以下に低下したときに骨粗鬆症と診断されます。閉経後には、どうしても骨密度は減少していくため、基本的には思春期にいかに骨密度を増加させるかが重要だとのことです。しかし、それ以外のステージでも適切に食事をとり運動すれば骨密度の低下が防げると伺いました。骨粗鬆症を予防するには、1日あたりカルシウムを800 mgとる必要があること、カルシウムの吸収効率を上昇させるビタミンDやビタミンKを含む食品をとる必要があることをお話しいただきました。そのための食事メニューとして、牛乳を含めた乳製品や魚が大きな役割を果たすこともお話しいただきました。

公演後には、会場内外で学生や一般の方からの質問があり、一つ一つ丁寧に答えておられました。
廣田先生は、研究者・教育者・臨床者・啓蒙者など様々な面を持っておられるので、今回の講演で学生が自分の目指す管理栄養士像のひとつとして具現化できたのではないかと期待します。
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