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2015/10/12
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COC公開特別講演会「お腹はどうして空くのか?食欲増進ホルモン『グレリン』の役割」開催報告

健康科学研究科長 山田 一哉


COC事業の一環として、10/9(金)に特別講演会「どうしてお腹は空くのか?食欲増進ホルモン「グレリン」の役割」を開催しました。
講師には、グレリンの発見者である久留米大学分子生命科学研究所の児島将康先生にお願いしました。
1年生を中心に、2年生、4年生、大学院生、一般の方、教員の方々も含めて約140名の参加をいただきました。

講演では、グレリン発見の過程について、①誰もが考える脳ではなく、胃から精製をしたこと、②精製物とアミノ酸から合成したペプチドの分子量の差から、脂肪酸に修飾されて活性を持つ分子である点を突き止めたことについて、当時のノートのコピーやメモまで見せていただき紹介していただきました。
また、グレリンの生理作用が、成長ホルモン分泌促進以外に食欲刺激・摂食亢進作用があることが明らかになった経緯についてもお話いただきました。
最後に、グレリンの血中濃度の日内変化やグレリン欠損マウスでは絶食時の体温低下が見られないことなどから、グレリンは摂食量を増やすと同時に消費を抑えて体内にエネルギーを蓄積させるホルモンであると結論づけられました。

聴講した学生達が生まれた頃には、人類はまだグレリンに出会っておりませんでした。
しかし、新しい物質が発見され、その作用が明らかにされることで、次々に多くの研究分野を刺激することを理解できたと思います。

また、講演全体を通して、先生からは研究は失敗が多くしんどいけれども、何物にも代え難いほどおもしろいものであるというメッセージをいただきました。
ノーベル医学生理学賞を日本人が受賞したタイムリーな時期に本企画をさせていただいたものとして、今後、一人でも多くの学生達が研究の世界を目指していくきっかけになってくれたらと切に願います。
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