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2014/05/29
  • アウトキャンパス・スタディ事例

「経済」と「環境」の両立をめざすトヨタ自動車へのアウトキャンパス・スタディ実施

総合経営学部総合経営学科
教授 葛西和廣
教授 成 耆政


5月22日(木)、総合経営学科の葛西ゼミと成ゼミ、ミクロ経済学受講生(学生52名、教員2名)が「経済的最適化手法としてのトヨタ生産システム(TPS)と環境」というテーマでアウトキャンパス・スタディを実施しました。

今回のアウトキャンパス・スタディでは、トヨタ自動車の生産拠点でもっとも多くのハイブリッド車を生産している堤工場を訪問しました。
堤工場の一日あたりの生産台数約1900台のうち、プリウスは500台以上を生産しています。
またアメリカで人気の『カムリハイブリッド』の生産も行なっています。
堤工場では、プリウスやカムリハイブリッドの他に、プレミオ、アリオ、サイオンtCなどを生産し、年間生産台数は約3万5000台、従業員数は約4,400人です。

見学した工程では、車体が完成した後、車のドアを取り外し、取り外したドアは座席、ダッシュボードなど内装材を入れる段階が終わるまでベルトの上側にぶら下がって移動します。
内装材の組み立てが終われば、車のドアがまた組み立てられます。
これはドアがないために作業能率が高く、車体が傷つく可能性も減るからです。
生産ラインは、混流生産を通じて 需要に合わせた生産システムを備えており、弾力的な車両生産が可能となっています(Doorless System)。
学生らは、組立ラインを見学しながら、ガイドの説明に真剣に耳を傾けていました。
トヨタ生産システムの説明では、大学の講義で学んだ「ジャストインタイム(Just in Time)」や「自働化(Jidoka)」について、生産現場で確認することで理解を深めることができました。
学生らは、「効率的で、一切無駄のないシステムだ」「従業員に優しいシステムだ」「停電したらどうなるの?」「すごい!すごい!」と感想を漏らしていました。
トヨタ自動車は創業以来、「自動車を通じて豊かな会社づくりに貢献する」ことを基本理念として事業を営んでいます。
「豊かな社会作りに貢献する」とは「地球の維持可能な発展」への貢献であり、そのためには、環境保全と経済活動を両立することが必要となります。
具体的には、「サステイナブル・モビリティ」「サステイナブル・プラント」「サステイナブルな社会貢献」の「3つのサステイナビリティ」をキーワードに、「研究開発」「モノづくり」「社会貢献活動」の分野で「人」と「技術の力」を結集し「豊かな低炭素社会」の実現に向けた活動を行っています。
「モノ作り」の分野では、ハイブリッド車プリウスを生産する堤工場をモデルとしてサステナブル・プラント活動に取り組んでいます。
訪問した堤工場では「エコな車は、エコな工場・人から」というスローガンを掲げ、地球環境に配慮した工場づくりを進めています。
例えば、工場の屋根に設置したソーラーパネルでは、一般家庭500軒分の消費電力に当たる約2000KWの発電が可能です。
また、工場の外壁には空気をきれいにする光触媒塗装を施していますが、この塗装には雨が降ると汚れを洗い落とす効果もあります。
そして、2008年5月にトヨタ自動車の従業員と地域住民の約5000人が約5万本の木を植樹し工場の森づくりを進めているほか、敷地内にビオトープという生物の生息地をつくることなどにも積極的です。

次に移動した「トヨタ会館」では、環境、安全、品質、企業の社会的責任などのコーナーを見学しました。
また、「未来のクルマはどんなクルマ?」「というコーナーでは、「環境に優しいクルマ」「事故を起こさないクルマ」などの説明を聞きました。
そして、「i-unit」の試乗体験も行いました。
特に、ショールームではレクサスやトヨタの最新モデルの車が展示されていて、自由に試乗でき、学生らは大変興奮していました。「ほしい」を連発しながら試乗し、クルマの仕様を確認していました。
名残惜しさを感じながら、帰路についたバスの中で、学生らは「自分なりの参加目的は十分に達成した」「大変楽しいアウトキャンパス・スタディだった」「是非、また行きたい」「トヨタ自動車について多くのことを知ることができた」「大変有意義なアウトキャンパス・スタディだった」「とにかく楽しかった」など感想を述べていました。
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