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「10年の経験」スポーツ栄養関連仕事について健康栄養学科「スポーツ栄養」(呉泰雄講師担当)特別講義

1月26日(水曜日)人間健康学部健康栄養学科3・4年生を対象とした私の講座である「スポーツ栄養学」の講義に、東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系石井直方研究室博士課程在籍の相川恵里*さんを招き、ご自身の大学を出て10年間の経験をうかがった。相川さんと私は早稲田大学大学院人間科学研究科で出会い先輩後輩の関係でした。今は大学院生ですが、その前まではスポーツ栄養の最先端の企業でお仕事していた方でしたので相川さんの今までの経験の話は学生らにはお役に立ったと思います。私が相川さんの講演で印象深かったのはふたつあります。一つは「栄養指導」という言葉の違和感です。「指導」という言葉はどちらかというと上からの目線で相手のことを強引にでも直そうとするイメージがあるので「相談」という言葉がいいそうです。確かにスポーツ現場で監督と栄養士が対立することがよくありますが、ほとんどがお互いに「指導」をしようとするからだと思いました。もう一つは本人自身が管理栄養士の資格を持ちながら健康運動指導士の資格を持っています。ここまでは結構あることですが、相川さんは、健康運動指導士の資格を取得しただけではまだ運動分野に精通することは難しいと考え、運動の中でも健康づくりのキーとして「筋肉」に焦点を絞り、筋生理学における最前線の知見を自らの手で得たいとの思いから、今現在の大学院(博士課程)に入学したことには感心しました。うらやましい限りです。健康栄養学科の学生も常に勉強して単なる「健康づくり」の知識ではなく、人々を本当に「幸せにできる健康づくり」を目指して頑張ってもらいたいです。
 ご多忙の中、健康栄養学科の学生のためにお越しいただいた相川先生に感謝を申し上げます。

 本文はスポーツ健康学科の呉泰雄専任講師が執筆しました。

【学生のレポートを紹介します】

相川恵里先生の講演を聞いて
                         健康栄養学科3年山田 昌
 私の将来の夢は、スポーツ栄養士としてアスリートやスポーツチームの栄養サポートをすることです。しかしスポーツ栄養士の現実は、働く場がわずかであり、就職するには厳しいというのが現状です。3年生になり就職活動を始めた最近は、目標であったスポーツ栄養士の夢を諦め始めていた時期でもありました。しかし今回、相川恵里先生の講演を聞き、スポーツ栄養の知識はアスリートにだけではなく、一般の方たちへの健康づくりの現場でも必須の考え方になっているということをお話してくださいました。それまでスポーツ栄養士は、アスリートの栄養サポートや、大手企業での商品開発など、数えるほどの職場しかないと思っていた私の視野が広くなりました。
 また、相川先生は大手企業に就職したとき、サプリメントの開発や、オリンピック選手の栄養サポートを行ったと聞きました。スポーツ栄養士を目指している私にとって、とても憧れる仕事だと感じました。しかし先生はそれに満足することなく、自分の専門分野に留まらず、いろいろな方向からスポーツ栄養を研究し、常に学ぶ姿勢を持っていらっしゃる印象を強く受けました。失敗や苦労は、人を大きくするという先生の言葉で、自分の夢や目標に妥協し始めていた気持ちがなくなり、残りの大学生活で、自分のやりたいことを精一杯学びたいと思いました。

*相川 恵里(あいかわえり) 
1978年、埼玉県生まれ。管理栄養士、健康運動指導士。
現在、東京大学大学院 総合文化研究科 生命環境科学系 石井直方研究室 博士課程在籍。
日本女子大学家政学部卒業、早稲田大学大学院人間科学研究科修士修了。その後、明治製菓(株)ヘルス・バイオ研究所(現 食料健康総合研究所)に入社。同社スポーツ栄養ブランド「ザバス」の業務に従事し、大学のスポーツチームの栄養サポート等を行う(オリンピック、世界水泳出場選手をサポート)。
明治製菓を退社後、(株)ヘルシーピットに入社。栄養相談・セミナーから雑誌・テレビの健康関連情報の監修等、「食と健康」をテーマとした業務を幅広く行う。
ヘルシーピット退社後フリーとなり、プロスポーツ選手の栄養サポートや専門学校にてスポーツ栄養学講師、また健康づくりを目的とした食生活サポート等の活動を行う中、栄養と運動の両面から取り組む「筋肉づくり」が健康増進のキーと考え、博士課程に進学、現在に至る。
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