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北アルプス山麓をスポーツ天国に「地域活性化シンポジウム」報告

2010年11月6日・7日の両日、大町市の「サンアルプス大町」において、本学とNPO法人元気・まちネットが主催する「地域活性化シンポジウム」が開催された。北アルプス山麓の有する歴史・文化・スポーツなど、固有で豊かな資源を活かした地域活性化を論議する、民間発、産学協同の試みである。

 基調講演では、「塩の道まつり」を主宰してきた民俗学者の田中欣一氏が、「歩く」ということや古道の魅力について大いに語った。また、特別講演(等々力)では、人と人を繋ぎ、人や地域に元気を与える「スポーツの力」に焦点を当て、その北アルプス山麓における可能性を述べた。

 この二つの講演を受けてパネルディスカッションでは、スポーツイベントの社会的・経済的効果を中心に、実施の際の問題点などについても討議された。矢口正武氏(元気・まちネット代表理事)が、10年来、仁科三湖で行ってきた野外活動の北アルプス山麓アドベンチャーゲームスについて、また、松島義一氏(信州スカイパークサービスセンター副所長)が、昨年立ち上げた自転車のアルプスあづみのセンチュリーライドについて、それぞれ紹介し、問題点も指摘した。焦点となったのは、いわゆる自治体の壁である。外部者の参入に対する無理解や、自治体による対応の違いなどについて、活発に論議が交わされた。

 周知のように、この地域には数多くのスポーツ・スポットと、多様な取り組みがある。しかし残念ながら、それらは散在している。必要なのは横断的連携であり、今シンポジウムは、その第一歩と位置付けることができよう。

 シンポジウムの締め括りとして、北アルプス山麓を舞台とするスポーツの有効性を確認し、四季それぞれでのスポーツイベントの連続開催と広域連携、そのための緩やかな連絡協議会的組織の結成などの内容が、提言としてとりまとめられ発表された。


本稿は、人間健康学部学部長の等々力賢治教授が学報「蒼穹」第100号記念号にに執筆したものを紹介しています。
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