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2010/11/18
  • イベント情報

真の健康長寿No.1の確立へ長野県の公衆衛生行政の現状と課題を語る

講師を紹介する村松教授

講師の小林良清氏

質問をしながら講義を進めた

17日、人間健康学部の特別授業として、長野県健康福祉部健康長寿課長・小林良清氏を招き、「長野県の健康づくり活動における行政の役割」をテーマに講演会が行われた。
 小林氏は公衆衛生行政の概要を説明する中で、管理栄養士や健康運動指導士を目指す学生に対し、病院や福祉施設・学校など、どんな所に勤めたとしても、行政との関わりは必ず生じる。目の前の患者さんやお年寄りだけでなく、その背景にある社会や環境を見つめる視点を持ってほしいと述べられた。
 長野県は、平均寿命が男性1位、女性5位なのにも関わらず、一人あたりの老人医療費が日本で最も低い健康長寿県として全国から注目されているが、それは、豊かな伝統食や食文化の影響だけでなく、保健補導員・食生活改善推進員の方が熱心に保健活動に取り組んだ歴史があると説明。しかし、75歳以上の平均余命をみると決して長くなく、高齢者の健康状態は必ずしも良いとはいえない。「動く」ことに関しては全国平均より低いので、何とかしなければならない課題であるとし、これから健康づくりに従事する学生の皆さんはぜひ一緒になって考えてほしいと要望された。それを反映するように、学生から寄せられた、一人暮らしのお年寄りが多いが、行政はどんな対策をしているかという質問に対して、「低栄養の方向けに実施されている配食サービスは、逆に外出することにストップをかけるという問題も生じる。そうした反対側の問題も考えなくてはならない」と行政サービスの難しい一面をのぞかせた。
 講演会を主催した、健康栄養学科学科長の村松宰教授は、「長野県の公衆衛生の現状をグラフやデータを示し、非常にわかりやすく話していただいた。これから社会に出る学生にとっては有意義な講義になりました」と謝礼を述べ、講演会を結んだ。

 本講演会は、文部科学省大学教育・学生支援プログラム【テーマA】「食の課題解決に向けた質の高い学士の育成」事業の一環として実施しました。

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