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2010/11/26
- アウトキャンパス・スタディ事例
㈱アールエフ、伊那食品工業㈱を訪問総合経営学科 兼村ゼミ2・3年生
カプセル内視鏡をみてみる
デジタルレントゲンをみせてもらう
丸山社長へのご質問
丸山室長から寒天の歴史を聞く
「地域優良企業の研究」をテーマにする兼村ゼミでは11月11日(木曜日)に㈱アールエフ(長野市)を、22日(月曜日)に伊那食品工業㈱(伊那市)を訪問いたしました。どちらも全国的にも知られる信州を代表する企業であると同時に、「医療」や「健康」という次の時代のキーワードに係わるビジネスをしている企業でもあります。
県庁のそばに本社を構えるアールエフは、丸山社長夫妻2人で1993年に創業以来、現在従業員180名まで成長してきたベンチャー企業です。主力商品は医用のデジタルレントゲン、歯科用の口腔内カメラで、特に後者は世界シェア85%を占めています。訪問の際は実際に手にとって「実験」させてもらいましたが、日頃、こうした機器に触れる機会のないゼミ生たちは興味をもってその操作にあたっていました(写真上から1~3枚目)。そして今後、大きな期待を集めるのが、カプセル状の内視鏡です。チューブを口から入れ込む従来の内視鏡は大人でもつらいのに小さな子供ではとても我慢できないものです。しかしカプセルであれば飲み込むだけで、こうした苦痛も解消されます。まだ実用化には踏み切っていませんがこれが使われるようになれば検査がとても楽になり、早期の段階で病気を発見できることになるでしょう。
このように活気的な医療機器を開発する同社ですが、ベンチャー企業というととかく、強烈な個性やリーダーシップをもった社長像が思い浮かびますが、同社では従業員のモチベーションを尊重し、むしろ社長は聞き役・まとめ役になっています。従業員の平均年齢も30代と若く、日常のコミュニケーションも活発で、明るい雰囲気が社内に満ち溢れています。社内見学もさせてもらい、ゼミ生たちも成長する会社、新らしいアイデアが次々と生まれる会社の雰囲気を実感できたようでした(写真上から4枚目)。
次に訪問した伊那食品工業㈱ですが、社名よりも「かんてんぱぱ」で馴染みのある会社です。どんな優良企業でも世の中の景気により浮き沈みがあるのが世の常ですが、同社は実に48年間も連続して増収増益を続けており、「優良」のなかでも類まれな企業といえるしょう。こうしたことがなぜ可能になるのかをお聞きすると、ブームに乗った拡張はせず一歩一歩無理のない範囲で確実に成長していくこと、社会の変化や技術革新を常に意識しその時代に見合った商品を開発していくとのことでした(写真上から5枚目)。言われてみれば当たり前の話なのですが、多くの会社はビジネスチャンスを逃がすまいとするあまり、自社の立ち居地を見失ってしまうのです。これができるのも社長の経営理念が全社に浸透していることに他なりません。
また両社に共通して言えるのは、信州の地を拠点としながら全国、あるいは世界に向けて人々の生命に係わる新しい商品を次々と開発していることです。その意味で大変重要な使命を担う企業といえるでしょう。その商品開発にあたっては技術や市場の情報を入手しやすい東京の方が便利と思えるのですが、「地域に残ることによって地域に貢献できる」という地域への熱い思いが、この地で事業を続ける背景にあります。
こうした全国にも誇れるすばらしい企業が信州にある誇りと、地域への熱い思いをゼミ生たちも受け止めて、地域の期待に応えることができるような社会人に是非なってもらいたいものです。
最後になりましたが、ご多忙極めるなかお時間をいただき、また学生たちの質問に丁寧にお答えいただきました丸山社長以下の㈱アールエフの皆様、伊那食品工業㈱取締役・秘書広報室の丸山室長にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
本稿は総合経営学科 兼村智也准教授から寄稿いただきました。
県庁のそばに本社を構えるアールエフは、丸山社長夫妻2人で1993年に創業以来、現在従業員180名まで成長してきたベンチャー企業です。主力商品は医用のデジタルレントゲン、歯科用の口腔内カメラで、特に後者は世界シェア85%を占めています。訪問の際は実際に手にとって「実験」させてもらいましたが、日頃、こうした機器に触れる機会のないゼミ生たちは興味をもってその操作にあたっていました(写真上から1~3枚目)。そして今後、大きな期待を集めるのが、カプセル状の内視鏡です。チューブを口から入れ込む従来の内視鏡は大人でもつらいのに小さな子供ではとても我慢できないものです。しかしカプセルであれば飲み込むだけで、こうした苦痛も解消されます。まだ実用化には踏み切っていませんがこれが使われるようになれば検査がとても楽になり、早期の段階で病気を発見できることになるでしょう。
このように活気的な医療機器を開発する同社ですが、ベンチャー企業というととかく、強烈な個性やリーダーシップをもった社長像が思い浮かびますが、同社では従業員のモチベーションを尊重し、むしろ社長は聞き役・まとめ役になっています。従業員の平均年齢も30代と若く、日常のコミュニケーションも活発で、明るい雰囲気が社内に満ち溢れています。社内見学もさせてもらい、ゼミ生たちも成長する会社、新らしいアイデアが次々と生まれる会社の雰囲気を実感できたようでした(写真上から4枚目)。
次に訪問した伊那食品工業㈱ですが、社名よりも「かんてんぱぱ」で馴染みのある会社です。どんな優良企業でも世の中の景気により浮き沈みがあるのが世の常ですが、同社は実に48年間も連続して増収増益を続けており、「優良」のなかでも類まれな企業といえるしょう。こうしたことがなぜ可能になるのかをお聞きすると、ブームに乗った拡張はせず一歩一歩無理のない範囲で確実に成長していくこと、社会の変化や技術革新を常に意識しその時代に見合った商品を開発していくとのことでした(写真上から5枚目)。言われてみれば当たり前の話なのですが、多くの会社はビジネスチャンスを逃がすまいとするあまり、自社の立ち居地を見失ってしまうのです。これができるのも社長の経営理念が全社に浸透していることに他なりません。
また両社に共通して言えるのは、信州の地を拠点としながら全国、あるいは世界に向けて人々の生命に係わる新しい商品を次々と開発していることです。その意味で大変重要な使命を担う企業といえるでしょう。その商品開発にあたっては技術や市場の情報を入手しやすい東京の方が便利と思えるのですが、「地域に残ることによって地域に貢献できる」という地域への熱い思いが、この地で事業を続ける背景にあります。
こうした全国にも誇れるすばらしい企業が信州にある誇りと、地域への熱い思いをゼミ生たちも受け止めて、地域の期待に応えることができるような社会人に是非なってもらいたいものです。
最後になりましたが、ご多忙極めるなかお時間をいただき、また学生たちの質問に丁寧にお答えいただきました丸山社長以下の㈱アールエフの皆様、伊那食品工業㈱取締役・秘書広報室の丸山室長にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
本稿は総合経営学科 兼村智也准教授から寄稿いただきました。
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