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2008/09/02
  • イベント情報

「ひらめき☆ときめきサイエンス」を開催して

8月30日(土)に 6号館2階の生理学実験室ほかにおいて、実験講座を開催しました。本講座は、独立行政法人日本学術振興会の「ひらめき☆ときめきサイエンス?ようこそ大学の研究室へ?KAKENHI」という事業の一環として行われたものです。これは、研究者が文部科学省の科学研究費を使用して得た研究成果を社会に還元・普及する事業です。大学の研究室・実験室を使って研究者や学生の指導のもと実験したり講演を聴いたりすることで、次世代を担う若い世代の人たちの知的好奇心を刺激しながら、科学のおもしろさや難しさなどを知ってもらうことを目的としています。

 今回の実験内容は、肥満するネズミと肥満しないネズミのしっぽから遺伝子 DNA を抽出してもらい、レプチンという肥満に関わる遺伝子の遺伝子型を検出してもらうというものです。当日は、県内だけではなく、遠くは東京都や新潟県からも高校生が参加してくれました。午前中にまず DNA の抽出を行いました。抽出液にイソプロパノールを加えたあと、ゆっくりと何回か転倒混和しているうちに、試験管内の水溶液中に突然、白い糸くずのような形でDNAが沈殿してきたときには、みんなキラキラと目を輝かせていました。つぎに、レプチン遺伝子を増幅するために、ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) にかけたところで昼食・休憩をとりました。昼食後は、「肥満と遺伝子と栄養の関係」についての講演を聴いてもらい、学問的な内容を把握したあと、午前中に行った反応産物をアガロースゲル電気泳動にかけ、DNA を染色して観察しました。自分のサンプルが正常型か肥満型かを判定したあと、結果の発表とディスカッションを行い、最後に未来博士号の授与式を行いました。
 高校生諸君が頑張ってくれたおかげで実験結果は素晴らしいものでした。高校生からは DNA を自分で調製できてうれしかったとか PCR って凄いという感想がありました。実験のお手伝いをしてくれた本学健康栄養学科の2年生も実験指導を通して、人に物事を伝えることの難しさと楽しさを理解してくれたようです。また、先輩として、高校生の質問や相談にものっている姿を見て頼もしくも感じました。会の開催にあたりまして、様々な面でご協力をいただきました皆様のおかげで、会全体を通して、終始スムーズに楽しく穏やかな雰囲気で進行することができました。この場を借りて感謝いたします。今後もこのような講座を続けていくことで、本学からも少しずつでも科学の裾野を広げていきたいというのが実施者全員の共通した思いです。

本文は、健康栄養学科 山田一哉教授から寄せていただきました。
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