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2008/06/19

総合経営学科『金融論』で金融当局者による特別講義

■北村 信氏

昨年夏頃を境に、それまで順調に景気回復を続けてきた日本経済にも変調がみられるようになりました。米国のサブプライム住宅ローン問題に端を発した金融・資本市場の動揺と景気減速、その一方で世界的な原油・食料の値上がりなどによる物価上昇も起きています。こうした状況を踏まえ、総合経営学科『金融論』の一環として、「金融行政や金融政策が直面する課題」などについて、金融当局者を招いて特別講義を実施しました。

 まず6月12日(木)、財務省関東財務局理財部長の北村信氏に「金融行政の現状と課題」に関して講義をお願いしました。金融行政当局が、わが国金融・資本市場の競争力強化を目指して「金融規制の質的向上(ベター・レギュレーション)」という中期的な改革に取り組む中で、緊急課題である「サブプライム住宅ローン問題」に対応している様子について、臨場感溢れるお話をうかがうことができました。

 続いて19日(木)、日本銀行松本支店次長の飛田正太郎氏に「日本銀行の役割と金融政策」ついて講義をお願いしました。「中央銀行は必要か」といった本質論から金融政策の仕組み、さらには景気減速と物価上昇の狭間で難しい舵取りが続く「現実の金融政策運営」に至るまで、具体的な事例やデータを交えてわかりやすく解説して頂きました。

 日頃から見聞きするトピックとあって受講学生の関心は高く、現実の動きを見据えて「金融経済を見る眼」を養うことの重要性を改めて感じました。後期には、地域の金融機関の方々に特別講義をお願いする『地域金融事情』を開講する予定です。引き続き、金融経済の動きを踏まえた実践的な学習の機会を充実させていきたいと考えています。
 本文は、総合経営学科の太田勉教授から寄稿していただきました。
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