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韓国・東新大学から学生30名が来学 特別講義や交流を図る

11月20日、韓国の東新大学(羅州市)の教員と学生、約35名が松本大学を訪れ、日本の介護保険制度についての授業を受講し、意見交換を行うなど、丸一日掛け交流を図った。これは、観光ホスピタリティ学科尻無浜博幸准教授が、東新大学社会福祉学科長の趙 源卓教授と面識があり、韓国でも来年から日本の介護保険制度と同様の制度が開始されるのを機に、日本への視察を希望していたことから実現した。

 午前9時過ぎに松本大学へ到着した一行を、福祉を専攻している観光ホスピタリティ学科の学生が手作りの横断幕を作って出迎えた。最初に行われた歓迎セレモニーで挨拶した中野和朗学長は、松本大学が目指す『幸せづくりの人づくり』について触れ、「韓国の学生の皆さんも、人のために役に立つ学問を学んでほしい」とエールを送った。

 続いて、日本の介護保険制度について尻無浜准教授の講義があり、次に、『介護保険制度導入を前にした韓国社会福祉の現状』とのテーマで趙教授から講演が行なわれた。本学の学生もともに聴講し、予想以上に集まった学生の数に用意した教室が満席になり、熱気のある特別講義となった。昼食も学生と一緒に「学食」を利用し、普段と変わらないメニューを味わっていただいた。学生たちは、ランチの食材や日本の調味料を紹介して、徐々に打ち解けていった。



 東新大学は、5学部42学科と5専攻の大学院を有する総合私立大学で、漢方処方の研究で韓国国内では有名な大学。今回、来日した学生は、保健福祉学部の看護学科・運動処方学科・生活体育学科・食品栄養学科・社会福祉学科の5学科からそれぞれ訪れてくれたので、午後は、同じ分野を専攻する学科の授業を体験していただいた。

 観光ホスピタリティ学科では、学生間のシンポジウムを開催。車座になって、お互いの国の福祉制度について話し合いを行った。認知症の高齢者に対してのケアの問題から、社会福祉士の初任給に至るまで、お互いの関心ごとを質問している姿が印象的だった。その後、松本大学の学生が多く参画している、松本市巾上地区開発の事業紹介があり、若い世代の考えを理解してもらうために行った「若者文化講座」の報告が成された。

 人間健康学部では、設立した理念や環境、教育内容について紹介した後、6号棟のトレーニングルームや調理実習室を見学して回った。日本の栄養教諭にあたる教員を目指している3年生の女子学生は、「東新大学にも同じような施設があるが、とても綺麗でびっくりした」と嬉しい感想を述べてくれた。続いて第一体育館にて、車椅子バスケットボールにチャレンジしていただいた。運動指導者を目指している学生たちは、直ぐに車椅子を器用に操るようになり、即席で、5対5の車椅子バスケットボールの日韓戦が行われた。初めてとは思えない絶妙なスーパーシュートを放つ韓国の学生に歓声が上がり、館内は大いに盛り上がっていた。

 午後5時からは、「ウェルカムパーティー」が3号館ラウンジで行われた。会場には観光ホスピタリティ学科の学生だけでなく、授業で交流した人間健康学部の学生の飛び入りが目だった。学生が企画したゲームに興じながら、学生たちは積極的に話しかけ、お互いを紹介しあったり、写真を撮りあったりして直ぐに打ち解けていった。最後に、韓国の学生と趙教授が挨拶し、「こんなに温かく歓迎してもらって、ありがとう。今後も東新大学と松本大学が協力して、いい関係が築いて行けることを願っている」と結んだ。

 来年には、本学から東新大学を訪問する計画もあり、尻無浜准教授は、「儒教の国・韓国で、介護保険制度がどのように浸透して行くのか見守りたい」と語った。また、このツアーでは、韓国から留学している本学の教員と韓国からの留学生が通訳を務めてくれた。その大きな協力により、親密度の濃い交流が図れたのは言うまでもない。
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