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2007/11/27
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松商学園地域総合人材開発研究センター設立記念公開シンポジウムを開催

松本大学と松商学園高等学校を運営する学校法人松商学園は、このたび「松商学園地域総合人材開発研究センター」を設立した。明治大学地域産業人材開発研究センターと共同で研究を行うことから、11月25日、まつもと市民芸術館において、一般市民など約150名の参加者を招き公開シンポジウムを開催した。主催した学校法人松商学園の藤原一二理事長と明治大学を代表し、政治経済学部学部長の飯田和人教授からご挨拶いただいた後、松本市出身で明治大学名誉教授百瀬恵夫氏の基調講演が行われた。地域産業の活性化には中小企業の役割が重要なこと、オンリーワン企業はネットワーク社会を創造できる強みがあることなど地域振興の在り方について見解を述べられた。また、松商学園は100年余にわたり松本地域を中心に人材を排出してきた歴史があるが、今後、時代の変化に柔軟に対応する必要性を説き、今日は記念すべきそのための第一歩と結んだ。
 続いて、明治大学地域産業人材開発研究センター事務局長を兼務する森下正教授から、地域振興のための産学官連携の事例が紹介された。明治大学は、2000年から知的資産センターを設置し、大学の技術等の研究成果を民間事業者に移転する「TLO(Technology Licensing Organization)」をスタートさせ、理系の大学が多い中で、文系の大学として数多くの申請を行う実績を所有する。さらに2003年には社会連携促進知財本部を開設し、教職員や学生の起業を支援する「大学発ベンチャー」や地域との連携事業を積極的に推進している。

 後半行われたパネルディスカッションでは、人材育成を中心とした取組みを、経済界・教育界で活躍するそれぞれの立場から事例が発表された。明治大学の伊藤正昭教授は、新潟県の地方都市で地場産業振興センターを拠点に人材育成に関する調査を行い、教育プログラムを作成しているなど、地域の特性にふさわしい研究事例を紹介された。続いて、松本大学の林昌孝教授から、学生の主体性を高め、自己管理を呼びかける独自のキャリア教育の事例が発表された。長年、企業の人事担当として活躍し、企業が新入社員に求める"人間力"を開発する人材ビジネス会社の池口良明社長は、「若者が『天職』に就けるような人材育成を教育機関に求めたい」と述べ、松本大学が学生のモチベーションを上げるため実践している、入学前から就職内定後に至るまで行うキャリア教育に期待を寄せた。
 今後、松本市を中心としたこの地域で、いかに松本モデルの人材育成ができるかが「松商学園地域総合人材開発研究センター」の課題となる。設立に携わった松商学園高等学校の金井貞徳教頭は、高校の役割は基礎学力の向上も大事だが、地域と積極的に関われる人材育成の両輪を創造することが大切と訴え、「主体性がある人材育成のために、高校生や大学生が地域に実際に触れ合える環境を創造しネットワークを確立することから始めたい」と今後の抱負を語った。

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