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2007/09/20

栄養教育と食文化

7月23日に、健康栄養学科ではパネルディスカッション「管理栄養士の立場から食文化について考える」を実施しました。
 丸の内病院栄養科長の塚田杖子先生は、これまで提供してきた病院の食事を紹介し、「病院給食提供と食文化」という視点で病院栄養士としての基本姿勢について話され、病院で働く管理栄養士・栄養士像を印象付けてくださいました。本学松商短期大学部の福島明美先生は、「地域づくりと食文化」というテーマで市民活動における「食」の重要性について触れられ、今後、食文化と栄養学の融合について考えていきましょうと呼びかけてくださいました。大町西小学校栄養教諭の横澤はま先生は、「食文化として子どもたちに何を伝えるか」というテーマで、児童・生徒の実態やこれまで取り組んでこられた学校における食育などについて話され、「人間栄養学はヒューマニティーから成り立っていると考えたい」と発言されました。長野県教育委員会では、平成17年度から現職の学校栄養職員等を対象とした栄養教諭認定講習会を開催しています。横澤先生はその認定講習会を受講して栄養教諭免許を取得された一期生で、本年4月に県内に配置された5名の栄養教諭のお一人です。今年の認定講習会のうち、8月8日から10日までは松本大学が会場となりました。私は3年間、認定講習会で、「栄養教諭論」の講師を務めましたが、このパネルディスカッションのテーマは私にとっての課題でもありました。
 最後に、コーディネーターをお願いした本学観光ホスピタリティ学科教授の白戸洋先生は、「専門職種は虫の目で歩いて目の前の課題をきちんと把握することも必要ですが、時には鳥の目をもってものごとを俯瞰的に考えてみることも大切」とまとめられました。この言葉をしっかり受けとめてほしいと思います。このパネルディスカッションは、新しくスタートした人間健康学部と既存の総合経営学部、松商短期大学部との連携事例として有意義な一歩でもありました。

健康栄養学科 教授 廣 田 直 子
平成19年9月20日
蒼穹第88号より
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