法人農業経営の経営戦略と診断

厳しい経営環境におかれている日本農業，特に法人農業経営体を対象に，経営環境変化に対応した経営戦略の構築及び個人(家族)経営とその性格等が異なる法人農業経営に適応できるような法人経営診断指標の検討を目的とした。
本書は序章と補章を含め７章で構成されている。第１章では，日本における農業法人の一般的な現況とその課題について，第２章では，韓国の農業法人組織である営農組合法人の設立とその運営実態について，第３章では，一般経営学の経営戦略論をふまえ，環境変化への対応を中心とする農業法人経営戦略の構築を試みた。そして，第４章では，法人農業経営の性格の検討に基づいて，その目標と経営成果の内容が異なる経営に適用できる経営診断分析指標の検討を行い，その課題を明らかにした。終章では本書の予約と課題について，補章では，地域活性化のための食と農に関する構造改革特区の意義と課題，とくに株式会社の農業経営への参入について考察を行った。