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  4. 修士課程2年・増澤諒君がスウェーデンで国際学会発表

[ 2017.05.31 ]

研究

松本大学大学院健康科学研究科
准教授 河野 史倫


5月21日~23日にスウェーデンのヨーテボリで国際学会Cell Symposia: Exercise Metabolismが開催され、わたくし河野史倫(本学大学院健康科学研究科・准教授)と増澤諒(本学大学院健康科学研究科・修士課程2年)が参加しました。運動による代謝の変化がどのように糖尿病や肥満などを改善するのか、そのメカニズムやヒト個体における複雑さを解き明かすための研究交流・議論を行うことを目的とした学会です。今回が2度目の開催ということで、まだ始まって間もない学会ですが、運動効果のメカニズムを解明することが世界的にもどれだけ求められ、且つタイムリーな話題なのかが想像できます。招待講演者はいずれも同分野で世界の最先端にいる研究者であり、間もなく論文として公表される研究結果や未発表データなども混ぜながら、非常に貴重な知識を得ることができました。いずれはスタンダードになるであろう運動生理学の新しい理論に早期に触れることができるのは、国際学会に参加する1番のメリットだと思いました。

本学大学院生の増澤諒君は、「Response of Pol II distribution to acute running in fast- and slow-twitch muscle of adult rats(速筋・遅筋における運動後のRNAポリメラーゼ分布の変化)」というタイトルでポスター発表を行いました。骨格筋はパワーのある速筋とエネルギー代謝の高い遅筋に分類できますが、運動によって同じように遺伝子発現が高まる場合でもその転写の起こり方は速筋と遅筋で異なるという内容です。この研究は増澤諒君の修士論文のテーマでもあり、運動習慣などによって骨格筋が遅筋タイプに変わっていくメリットは何なのか?という疑問にひとつの答えを出すことができる研究です。国際学会での発表を初めて経験した増澤諒君は、「この研究分野の世界の動向とその最先端の知見を得ることができたこと。また世界の研究者と国際的な交流ができたことは自身にもなりましたし、今後の課題を見つける良い機会になりました。」と感想を述べています。

スウェーデンという国そのものからも貴重な経験を得ました。スウェーデンは高税率でありながらも幸福度の高い国であると知られています。その背景には、大学までの教育負担が無料、成人の医療負担が非常に少ないなどの社会保障があります。街中にもの凄い数のレストランやカフェが並んでおり、毎日かなりの人が外食を楽しんでいる様子など豊かな印象を受けました。しかし、消費税が25%(商品ジャンルによって異なる)という物価の高さは、日本人にはちょっと厳しかったのも事実です。

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