非常勤講師 江成 康明
今や、生活をするうえで、ネットはなくてはならない存在になっています。
パソコンやスマホを使っていつでもどこでも情報を得たり発信することができる便利な世の中...。でも、ちょっと待ってください。ネット犯罪に遭ったことはありませんか。ネットに夢中になって友達や家族に嫌な思いをさせていませんか。
そんな実態を身に染みて感じている「地域環境と民度」の受講生たちが、ネット社会を生き抜くための10か条を作りました。みんなで考えながらネットをうまく使っていけば、きっと社会も変わってくるはずです。
作った受講生だけでなく、松本大学の学生全員が意識を高めて実践してくれることを祈っています。
「ネット社会と民度10か条」2016
1. そのスマホ 操作してるの されてるの?
今を生きる人たちにとって、スマホは欠かせないものになりました。右を見ても左を見ても、みんなが画面に見入っています。でも、本当に必要で画面にタッチし、情報を得ているのでしょうか。もしかすると、自分の意思とは関係なく、スマホにもてあそばれているのかも知れません。
2. ポケモンGetで友達逃がす ながらスマホでサヨナラバイバイ
ポケモンGOが話題になりました。街中では画面にくぎ付けで、みんな同じ方向に進むという異常な光景が見られました。夢中になりすぎたための事故も起きました。たとえポケモンをGet!したとしても、現実社会で失うものも大きいはずです。友達とポケモン、あなたはどちらが大切ですか?
3. 過激な発言 言い放題 名乗らぬズルさ 「君の名は。」
SNSなどでのたった一言が多くの共感を呼ぶことがあります。半面、人の気持ちをないがしろにするような発言で相手の心を傷つけることも多々見られます。そのほとんどが「匿名」です。自分の名前を告げずに言いたい放題、なんてズルいと思いませんか。問いかけましょう。「君の名は?」と。
4. すぐ触る 他人はそれ見て 気に障る
友達が目の前にいても、みんなとの会話中でもすぐにスマホと向き合う人がいます。今向き合う相手は、スマホではないはずです。話ができる、文字が書けるという人間の大発明をもっと大事にしなければ...。私という存在を否定されているようで気に障るし、つい腹が立つのです。
5. ネット社会で神ってる 現実社会にこもってる
ネット社会では、「自分が中心で動いている」と勘違いしている人が見受けられます。その中だけでは、まるで神がかり的に注目されている人もいます。そんな人に限ってこもりがちで、社会に出てもおとなしく、自己発信も乏しい。現実社会で「神ってる」ほどの人間になれたら、最高の称賛なのですが。
6. 調べものはアイフォンでなく 愛本にしよう
何か調べる時に、ネットは早くて便利です。世の中の早い変化に対応するには優れものの機器です。でも、そこで調べたものは頭に入っていますか。本で調べると、きちっと頭の中で整理されて記憶もされます。一瞬の情報より確かな知識。その積み重ねが自分の人生に重厚さを与えてくれるはずです。
7. 気を付けて グーグル先生も うそを言う
調べたいものがネット上で見つかったときは、自分が博学になった気がします。ただ、すべてを信じていいものでしょうか。グーグル先生ですら、時には間違いもあることを知っておかなければなりません。せっかくの論文も「九仭(きゅうじん)の功を一簣に虧(か)く」ことになりかねませんから。
8. コピペは楽だが 恥をかく
コピペは楽です。自分が考えずに意見や理論を手に入れることができるのですから。でも、ちょっと待ってください。それって、人の書いた情報ですよね。そんなのすぐ見破られてしまいます。恥をかくだけならまだしも、「私」という人間性を疑われ、否定される恐れもあるのです。
9. 著作侵害 罪は重いぞ 盗みより
意外と知られていないのが、著作権侵害の罪の重さです。誰かが書いたネットの文言を無意識に引用したり、あたかも自分が作ったように見せかける人もいますが、著作権侵害で訴えられたら大変です。違法の場合は、窃盗の罪より重い罰則があるということを忘れてはいけません。
10. ネットより 仲間ファースト 楽しむ会話
これまで生きてきた中で、周囲の人たちのありがたさを感じたことがたくさんあるはずです。一生の宝物となる仲間と談笑する楽しさは何物にも代えがたいものです。ネットより、仲間です。「〇〇ファースト」という言葉が流行りましたが、自己中心の「Me first」だけにはなりませんように。