健康科学研究科長 山田 一哉
COC事業の一環として、11/13(金)に高木教授・浅野助手・羽石助手とともに松本美須々ヶ丘高等学校にて出張実験教室を開催しました。
実験教室は、受講者の唾液からDNAを単離・精製し、遺伝子の一塩基多型を決定することにより、①お酒に強いか弱いか、②太りやすいかどうか、③短距離走型筋肉か長距離走型筋肉かという体質を調べる内容です。「物質」としての遺伝子と「情報」としての遺伝子を理解することを目的としたものです。
私達は、この8年間、日本学術振興会や科学技術振興機構の補助を得て、「ひらめき☆ときめきサイエンス」や「サイエンスパートナーシップ事業」として、本学で実験教室を開催してきました。
各回の実験終了後に受講者に向けて行うアンケート調査の自由記入部分に、受講生や引率の高等学校の先生からの意見として、「こういう実験教室を高等学校でやってもらえればうれしい」「自校生にたくさん受けさせてやりたいが休日開催だし引率中に事故があると困る」「高校には同様の実験を行うにも器具もノウハウもない」などの意見が複数寄せられていました。
また、ティーチングアシスタントとして実験指導に当たった本学の学生からも「こんなに楽しい実験をもっと多くの高校生に受けてもらいたい」「人に物事を教えることの難しさと楽しさを知ることができるいい機会になった」という意見も多数ありました。
そこで、今回初めて大学から飛び出して、高等学校へ出向いて実験教室を開催することにしました。
対象は、生物を選択している2年生のうち希望者20名でした。実際にはもっと希望者が多かったそうですが、20名に絞ってもらいました。
あらかじめ、高校生から採取してもらった唾液を大学に持ち帰り、そこからDNAを抽出し、遺伝子型を決定するPCR反応を行いました。
当日、その反応産物を高校に持って行き、アガロースゲル電気泳動を行って各自の遺伝子型を判定してもらいました。
高校生は、最新の実験器具や機器を間近に見て目をキラキラさせていましたし、実験操作も手際よく行っていました。
また、自分の遺伝子型を判定したあと、友達との間で情報交換したりして盛り上がっていました。
お手伝いのゼミ生も母校で後輩に指導できて感慨深かったそうです。
大学で行う以上に高校生の反応が良かったので、知り合いが多い中だとやはり違うのかなという印象を私達は持ちました。
限られた時間の中で開催された実験教室で、今回初めての学外開催ということで暗中模索のところもありましたが、無事に開催することができました。
参加してくれた松本美須々ヶ丘高等学校の高校生、理科教諭の小林万喜子先生をはじめ、ご協力いただいたすべての方にこの場を借りて感謝いたします。