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  4. 「食品衛生学実験」vol.14 細菌の性質を学ぶ① ~芽胞の耐熱性試験の結果~

[ 2014.06.12 ]

研究


人間健康学部 健康栄養学科 教授 髙木 勝広


芽胞の耐熱性試験の結果を報告します。
写真をご覧ください。上から、納豆菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌で、いずれも左から、未処理、60℃、80℃、105℃の順で並んでいます。
細菌が液体中で増えると'濁り'となって現れます。熱によって細菌が死滅すれば、培養しても透き通った液体ですが、生き残れば培地を濁らせます。

結果を見ていきましょう。
納豆菌は、60℃、80℃処理しても培地が濁っておりますが、大腸菌、黄色ブドウ球菌は、濁りがありません。つまり、納豆菌は熱に強く(耐熱性がある)、大腸菌、黄色ブドウ球菌は熱に弱いことが分かります。105℃処理では、さすがの納豆菌も死滅しました。
この納豆菌の耐熱性こそ、芽胞によるものであると考えられます。

[参考資料]
芽胞をもつ食中毒菌に、ウェルシュ菌がいます。
例えば前日につくったカレー、スープ(加熱調理した食品)などをそのまま室温で放置したような場合にしばしば起きると言われています。この種の食中毒事件は、芽胞の耐熱性と密接に関係しているのです。対策としては、調理後はあら熱をとった後、できるだけ早く冷蔵することです。



未処理
60℃
80℃
105℃
納豆菌(芽胞菌)




大腸菌




黄色ブドウ 球菌




+:増殖した。
-:増殖しなかった。

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