松本大学松商短期大学部 准教授 浜崎 央
恒例となっている短期大学部の「卒業論文発表会」が、一月三十日に開催された。短期大学は、二年間という短い期間のため、一つの専門分野を深く学習をすることが難しい点もあるが、本短大では全員に卒業論文を提出することを義務付けている。一年次の後期から始まる専門ゼミナールの中で、一年半かけて学んできたことの集大成とも言えるものであり、この日、一年生全員の前で、ゼミの代表者による発表が行われた。
今年の発表者は昨年と同様に九組であったが、一組の発表時間が十分程度しかない中、パワーポイントを駆使して、それぞれ取り組んできた研究内容をわかりやすく表現した発表が行われていた。
飯塚ゼミの今村さんは、『ジブリ作品の人気の秘訣―ジブリの戦略・挑戦―』と題して、世界的に人気のあるジブリ作品の人気の理由を分析するとともに、さらなる発展のための戦略についての考察がなされており、経営戦略を学ぶゼミならではの発表となっていた。パワーポイントのスライドに動画や音楽を組み合わせることで、聴衆を惹き付ける工夫もされており、わかりやすい内容と話し方で、レベルの高いプレゼンテーションだと感じた。
この発表会は、一年生に、次年度の一年間で自分たちが行うことのイメージを付けてもらうことを目的の一つとしている。先輩たちのレベルの高い発表に、一年後に到達する点の高さに不安になった学生もいたかもしれないが、大いに参考になったと思う。
十七のフィールドを擁している松商短大ならではの多分野に渡る発表に、聴き応えも十分あり、充実した時間が過ごせたと思う。発表した卒業生はもちろんだが、苦労して作り上げた卒業論文は一生の思い出となるだろう。卒業生の今後の飛躍に期待したい。