人間健康学部健康栄養学科 准教授 福島 智子
今年も人間健康学部の卒業研究発表会が、12月23日に健康栄養学科、1月12日にスポーツ健康学科で開催された。例年通り、口頭発表とポスター発表の二つの形式で行われた。栄養学科では各研究室から一題ずつ計12題の口頭発表があり、41題のポスター発表があった。スポーツ健康学科では21題の口頭発表、68題のポスター発表があった。
健康栄養学科の発表会では、実験や調査に基づく研究から、商品開発や社会科学系の研究と幅広いテーマが並んだ。学生は皆、緊張した面持ちで限られた時間内でのプレゼンテーションを、健康栄養学科の学生らしく、几帳面にこなしていった。報告を聞く教員を含め学生も、それぞれが異なる専門分野で研究していることを実感する1日であったと思う。少し残念なのは、質疑応答で積極的に発言する学生が少ないことだ。学科の特質なのであろう。奥ゆかしいというべきか。
その点、スポーツ健康学科の発表会は様相が異なる。聞いている学生からの質問が相次ぎ、進行上仕方なく「最後の質問でお願いします」という司会者の言葉が何度も聞かれた。学生からの質問で質疑応答の時間が終わってしまい、質問をしたくてもできなかったと残念がる教員もたくさんいたと聞く。活発な議論は栄養学科の学生も見習いたいところだ。おそらく学生と教員が醸し出す雰囲気もあるのだろう。時々笑い声も聞こえるとてもよい発表会であった。
両学科の発表会に参加してみると、その違いに気づいて興味深い。ぜひ双方向の交流を期待したい。スポーツ健康学科の発表会でとくに際立っていたのは、3年生が任されていた役割の大きさである。総合司会者に加え、各セクションにはそれぞれの司会進行役が、ポスター発表にも統括責任者を配置するというものだ。主役である4年生をサポートする3年生が素晴らしかった。
この発表会を境に、健康栄養学科の学生の多くは国家試験へ向けてのラストスパートに入る。卒業研究で見せてくれた粘り強さや根性をみせてほしい。